一般社団法人 日本自動車工業会が発行する『自動車ガイドブック』(2024-2025 Vol.71)が10月23日に全国書店やECサイトで発売する。
自動車ガイドブックは、1954年以来、年1回発行されるイヤーブックともいえる本。発行元の日本自動車工業会(以下、自工会)に加盟する乗用車/商用車/二輪車メーカーの最新モデル情報、全ラインアップ一覧の詳細データを掲載。併せて、毎年独自の特集企画をまとめ、時代のトレンドに沿った読み物が好評を博している。
今回の特集は、デザインをテーマに据えて41ページの大型企画で構成。パート1では「デザインとは何か」をテーマに掲げ、中村史郎さん(株式会社SN DESIGN PLATFORM 代表取締役)、前田育男さん(マツダ株式会社 シニアフェロー ブランドデザイン)、西本太郎さん(株式会社本田技術研究所 デザインセンター モーターサイクル・パワープロダクツデザイン開発室 クリエイティブダイレクター/室長)にインタビュー。自動車のデザインとは何か、デザイナーの仕事、またその領域と役割はどんなものかについて、クルマのスタイリングを考えること以外にも大きく広がり続けている「自動車のデザイン」の現状と今後についてつぶさに語っている。
電動化という大きな局面を迎え、「100年に一度の変革期」といわれる現在だからこそ、デザイナーは腕の振るいがいがあるという。デザイナーが「モノ作りを通じて人々の生活を豊かにする」とはどういうことか、「デザインが秘める力」とはどのようなものか。デザインという大きな視点を最先端の現場で仕事をするプロフェッショナルの生の言葉が綴られている。
パート2はテーマを「デザインの中身」として、その具体的な仕事内容について詳しく紹介。「デザインの作業内容と職種」、「UI/UXデザイン」、「カラーデザイン」、そして「モビリティ社会のデザイン」の項目で詳細をレポート。各自動車メーカーに取材し、デザインに携わるスタッフがどのような思いでUI/UXデザインに取り組んでいるのか、CMFと総称されるカラーデザインはどのような点に配慮しているのか。乗用車と商用車では重視する点が異なるのか。また、「乗り物」という社会に必須のインフラを通じて、メーカーはどのようなモビリティ社会をデザインしようとしているのか。毎日の暮らしに安全・安心・快適をもたらす工夫をデザインの面からどのようにアプローチするかがまとめられている。
パート3は「最新の自動車デザイン」と称して、自工会に加盟する各社イチオシのモデルたちを、メーカー自身の言葉で紹介。市販車、コンセプトモデルをまじえて、各社のデザインに対する熱い思いが伝わってくる。
特集の締めとなるパート4はプロカメラマンによる「撮影テクニック徹底解説」。ご自身のクルマやバイクを、よりカッコよく撮影するために必要な、ちょっとした配慮とテクニックをプロカメラマンがレクチャーしてくれる。
普段、何気なく使う「デザイン」という言葉の背後に広がる、大きな世界。多彩なビジュアルとともに紹介する巻頭特集とともに、緻密な情報が収録されたカタログなど、今年も読み応えのある内容となっている。