2019年8月のロシア新車セールスはラーダが1、2位

ロシア・ブランドと韓国勢がトップ3を形成

グランタ・セダン.jpg▲ラーダ(LADA)はロシアの最王手自動車企業、アフトワズが展開する乗用車ブランド 現在の人気モデルは写真のグランタ(セダン)シリーズ 1.6リッター直4エンジンを搭載 ボディサイズは全長×全幅×全高4268×1700×1500mm(写真はLADAのホームページから)

 日本のおよそ45倍の面積を持つロシアは、新車販売が成長する余地がある有望市場。世界の各メーカーがロシア市場に力を入れている。そのロシアの8月の新車セールスがまとまった。

 欧州ビジネス評議会(AEB)が公表したロシアにおける8月の新車販売台数(商用車を含む)は14万5545台。前年同月比は1.3%減と、わずかに前年実績を下回った。

 主要8ブランドの販売実績を見てみよう。ブランド別トップは、ロシア最大手、アフトワズの乗用車ブランド、ラーダ。3万12台を販売し、前年同月比は5%増だった。販売の主力はグランタで、同59.5%増の1万1132台と、大幅なプラス。ベスタも同9.6%増の9329台と伸びた。この2車種が車名別販売ランキングの1位、2位を占めた。

 なお、グランタはセダン、リフトバック、ハッチバック、ステーションワゴン、クロスオーバー、スポーツと、6バリエーションを展開。エンジンは1.6リッター直4で、セダンの全長×全幅×全高は4268×1700×1500mmだ。

グランタ・クロス.png▲グランタ・クロス グランタ・シリーズのクロスオーバーモデル(写真はLADAのホームページから)

 2位は韓国のヒュンダイ傘下のキア。1万8531台にとどまり、前年同月比は2%のマイナス。コンパクトカーのリオが6989台で、車名別販売ランキングの3位に。それでも、同10.5%減と、2桁のマイナス。

 3位は韓国のヒュンダイ。販売台数は1万4062台で、前年同月比は0.5%の微増。SUVのクレタが同4.7%増の5522台を売り上げた。小型セダンのソラリス(海外名アクセント)は4489台で、同6.8%減だった。

 地元ロシアのラーダと韓国勢が3強を構成する中、4位はフランスのルノー。1万2957台を販売し、前年同月比は12%増と、2桁のプラスを達成した。ダスターが同12.6%減の3109台。一方、セダンのロガンは同13.4%増の2855台と伸びた。

 5位につけたのはトヨタ。9122台を販売し、前年同月比は6%減だった。カムリが同14.7%増の2865台と好調。RAV4は同2%減の2960台と、マイナスだった。

 6位はフォルクスワーゲン(VW)。8527台を販売したが、前年同月比は1%減だった。主力のポロが4627台にとどまり、同10.5%減と、落ち込んだ影響が大きかった。

 7位はシュコダ。7007台を売り上げ、前年同月比は4%増と、堅調だった。シュコダはチェコに本拠を置くVWグループのメーカーだ。

 8位は日産。5938台にとどまり、前年同月比は16%減と、2桁の落ち込みとなった。SUVのキャシュカイが同2%増の2154台。エクストレイルは同5%減の2019台だった。

 このほかの日本メーカーは、SUBARU(スバル)が前年同月比7%増の695台、スズキが同9%増の589台と、それぞれ好調。一方、三菱は同9%減の3095台、マツダが同1%減の2812台、ホンダが同64%減の168台と、そろって落ち込んだ。販売台数は少ないが、日本メーカーはロシア進出に積極的といえる。

 プレミアムブランドを見ると、BMWが前年同月比17%増の3525台、メルセデス・ベンツが同10%増の3408台、アウディが同1%増の1335台、ポルシェが同30%増の515台と、それぞれ伸びた。一方、レクサスは同4%減の2173台、ランドローバーが同27%減の639台、ボルボが同26%減の507台、インフィニティが同31%減の313台、ジャガーが同42%減の126台と、明暗が分かれた。

 2018年通年のロシアにおける新車販売台数(商用車を含む)は180万591台。前年比は12.8%増と、2年連続で前年実績を上回った。しかし、19年1~8月は、前年同期比2.3%減の111万4263台にとどまった。これは、19年1月から付加価値税が引き上げられた影響もある。また、フォードがロシアの3工場を6月末までに閉鎖するなど、市場に暗雲が垂れこめつつある。

 こうした事情を考慮して、欧州ビジネス評議会は19年通年のロシア新車販売に関して、年初予測の前年比3.6%増の187万台から、前年並みへと下方修正している。

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