2019年8月中国新車販売は日産とホンダが前年越え

中国の新車セールスはいつ復活を見せるのか

2019年4月日産シルフィ前.jpg▲2019年4月の上海モーターショーで日産は新型シルフィを発表した シルフィは中国でファミリーセダンとして人気が高い

 世界最大の新車市場、中国の新車セールスの落ち込みが止まらない。中国汽車工業協会の発表によると、8月の新車販売台数は、商用車と輸出を含めて195万8000台。前年同月比は6.9%減と、14カ月連続で前年実績を下回った。長引く米中貿易戦争や中国経済の減速などの不安要素が、ユーザーの財布のひもを固くしている。

 日系メーカーは4社中2社が前年実績超え。日系メーカー首位は日産自動車で12万9659台。前年同月比は2%増と、5カ月連続で前年実績をクリアした。コンパクトカーのティーダが同52.5%増の7798台を販売。SUVは、エクストレイルが同2.5%増の1万9294台、キャシュカイは同8.2%増の1万8879台を売り上げた。7月に発売された新型シルフィは、1万1467台と、良好な立ち上がり。新型アルティマも同12.5%増の1万459台を販売した。2019年1~8月は、前年同期比0.2%増の95万6270台をセールス。 

 日系メーカー2位はトヨタ。12万9200台にとどまり、前年同月比は3.8%減と、17カ月ぶりに前年実績を下回った。カムリや大型セダンのアバロン、小型セダンのレビンは好調だったが、カローラの販売が減少した。19年1~8月は、前年同期比9.4%増の103万8200台を売り上げた。

 日系3位はホンダ。12万4155台を販売し、前年同月比は5.9%増と、6カ月連続で前年実績超え。シビックとCR-Vの主力2モデルが、2万台以上を販売。ハイブリッド車も好調。アコード・ハイブリッドやCR-Vハイブリッド、オデッセイ・ハイブリッドなど4車種合計で1万3274台を販売した。19年1~8月は、前年同期比18.4%増の98万5514台を売り上げた。

 マツダは1万7729台にとどまり、前年同月比は20.7%減と、2カ月連続のマイナス。アテンザとアクセラ、CX-5のスカイアクティブ・テクノロジー搭載3車が販売の中心。アクセラが7179台、アテンザが3191台、CX-5が2635台、CX-4が4525台をセールスした。19年1~8月は、前年同期比25.3%減の14万1125台にとどまった。

 プレミアムブランドは、メルセデス・ベンツが8月の新記録の6万1344台をセールス。前年同月比は12.8%増と、3カ月連続で前年実績を上回った。EクラスとCクラスのロングホイールベース車が販売の中心。とくにEクラスが同11.7%増と牽引した。19年1~8月は、同期で過去最高の46万4226台を販売。前年同期比は4.1%増と、ダウントレンドの中国市場の中で前年実績をクリアしている。

AクラスL.jpg▲メルセデスはAクラスにもロングホイールベース仕様を設定している 写真はAクラスLスポーツセダン

 アウディは5万8580台を販売。前年同月比は2%増と、3カ月連続で前年実績を上回った。現地生産のSUV、Q5のロングホイールベース車のQ5Lが、支持を集めた。19年1~8月は、前年同期比2.4%増の42万7447台を販売した。  スウェーデンのボルボカーズは1万4212台を販売。前年同月比は24.8%増と、6カ月連続でアップした。現地生産のXC60とセダンのS90が販売の中心。19年1~8月は、9万4592台を売り上げ、前年同期比は14%増と、前年実績をクリアした

 英国のジャガー・ランドローバーは前年同月比17.4%増の販売で、2カ月連続のプラス。これは、7月に新型レンジローバー・イヴォークを発売した新車効果が大きい。新型イヴォークは世界的に好評(前年同期比50.9%増)だ。

 18年の中国新車販売は、商用車と輸出を含めて、2808万600台だった。6年連続で2000万台を突破すると同時に、米国を上回り9年連続の世界一。しかし、前年比は2.8%減と、28年ぶりに前年実績を下回った。19年1~8月の累計販売台数は1610万台にとどまり、前年同期比は11%減と、2桁の落ち込み。

 ジャガー・ランドローバーの営業担当チーフ、フェリックス・ブラウティガム氏は、「世界市場は厳しいが、中国での新車販売は2カ月連続で増加した。年内にディスカバリー・スポーツの改良モデルを投入し、ベストセラーモデルとしての地位を、さらに強化する」と語り、減速が続く中国市場で、確かな自信を示している。

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