グループPSA(プジョー)とFCA(フィアット)が経営統合に正式合意

販売台数870万台、世界第4位の自動車メーカーに

たばれすの握手.jpg▲経営統合の合意書面にサイン後に握手を交わすC・タバレスCEO(PSA、写真左)とM・マンリーCEO(FCA)

 グループPSA(プジョー/シトロエンなど、以下PSA)とFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ、フィアット/クライスラーなど)は2019年12月17日、「経営統合に合意した」と正式に発表した。調印式にはPSAのC・タバレスCEO(最高経営責任者)とFCAのM・マンリーCEOとが出席し、合意書にサインする様子が公開された。
 新グループの出資比率は50対50の対等合併。新グループの会長はFCAのJ・エルカン会長が就任し、PSAのタバレスCEOは新グループのCEOとして経営にあたる。

フィアット3.jpg▲フィアット500(写真は左から500/500L/500X)はフィアット・ブランドを代表するモデル FCAはフィアット/ランチア/アバルト/クライスラー/ジープなど多数のブランドを展開

 PSAとFCAが統合すると、販売台数は870万台(世界第4位)、売上高は1700億ユーロ(約20兆6700億円、世界第3位)規模になる。統合に伴い、技術や製品、プラットフォームの集約などが進む。プラットフォームに関しては「現在の生産台数の3分の2は2つのプラットフォームに集約され、スモール・プラットフォームとミドル・プラットフォームでそれぞれ300万台を生産する計画」だという。統合に際して、両社の既存工場の閉鎖は行わない。

プジョー308GTI.jpg▲プジョー508 写真はスポーティなGTIグレード PSAはプジョー/シトロエン/DS/オペル/ヴォクスホールのブランドをラインアップ

 統合により、年間約37億ユーロ(約4500億円)のシナジー効果が見込まれている。このうち「通常のビジネスでのシナジー効果が約40%、規模の増大と最低価格の一元化による節約効果が約40%、一般管理費や物流などの節約効果が20%」と発表された。
「私は、統合会社にいる個々の計り知れない才能と協力を惜しまない姿勢に自信を深めています」とタバレスCEOはコメントし、新グループの発足に自信を見せている。
 統合の完了までには「12〜15カ月かかる」と、両社は発表。順調にいけば、2021年には統合した新会社の全体像が明らかになりそうだ。

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