国際基準のブレーキ性能を2021年発売の新型車から義務付け
▲トヨタが2014年に公開した「歩行者検知機能付き衝突回避支援型PCS(プリクラッシュセーフティ)」 ミリ波レーダーとカメラを併用して前方の車両や歩行者を検知 危険があると警報/ブレーキアシスト/自動ブレーキによる衝突回避支援および被害軽減を図る トヨタセーフティセンスCに含まれる機能
▲SUBARU(スバル)の安全運転支援装置・アイサイト 衝突被害軽減ブレーキをや車線逸脱警報などの機能を備えて2008年にデビュー
国土交通省は2019年12月17日、「2021年11月以降にデビューする国産新型モデルに対して、衝突被害軽減ブレーキの装備を義務づける」方針を発表した。
現在、衝突被害軽減ブレーキは広く普及しているが、21年11月以降にデビューする新型車は「国際基準に準拠した性能」のブレーキが義務付けられる。21年11月以前から販売されている「継続モデル」は25年12月以降に販売するモデルから義務付けられる(継続生産の軽トラックの場合は27年9月以降)。
*図版は国土交通省の資料から
輸入車の場合は、新型車は24年6月ごろから、継続販売車は26年6月ごろから義務化される。なお、装着が義務付けられるのは「新車」であって、現在走行している「現役車」は規制の対象外。
国土交通省による「義務化の要点」は
1)40km/hで走行しているクルマAが、停車しているクルマBに衝突しない
2)60km/hで走行しているクルマAが、20km/hで走行しているクルマBの後方についても衝突しない
3)30km/hで走行しているクルマAが、5km/hで道路を横断する歩行者(身長115cm、6歳児相当)に衝突しない
※クルマAは乗用車の場合で、軽トラックの場合は走行速度がそれぞれ10km/h低く設定される。
衝突被害軽減ブレーキの装着率は、2018年時点で約85%。実質的には標準装備化が定着してきたといえる状況だ。ただし、衝突被害軽減ブレーキの性能はメーカー間で異なる。国土交通省が18年に21台を対象に検査をしたところ、対車両に関しては全車が停止した。ところが、児童を想定したダミーに対しては6台が停止できなかった。義務化にあたって、性能水準を統一するためにも「衝突しない」という基準を定めている。