スマートシティビジネスの実現に向け、NTTとトヨタ自動車が業務資本提携に合意

 トヨタとNTTは両社の取締役会において、スマートシティビジネスの実現・協業を目的として、業務資本提携を締結したと発表した。

2.jpg▲NTTとトヨタ自動車、業務資本提携に合意

 これまで両社は、2017年に「コネクティッドカー(※1)」向けICT(※2)基盤の研究開発」に関して業務提携をしていたが、経営環境の変化に対して、これまで培ってきた事業基盤の更なる強化に努めるだけでなく、両社の更なる協力関係構築により、持続的成長を可能とする新しい価値創造に取り組んでいく必要があると考え、今回の協業に至った。

(※1) 外部に接続され、情報のやりとりができるクルマのこと。様々なサービスを享受できるとともに、社会のセンサーとしての機能にもなりえる
(※2) 情報通信技術

 中でも、先進的技術の活用により、都市や地域の機能やサービスを効率化・高度化し、各種課題の解決を図るとともに、快適性や利便性を含めた新たな価値を創出するスマートシティ事業を、今後注力する重要な領域の一つと捉え、取り組みを始めていく。

3.jpg▲CES2020でトヨタが発表した東富士(静岡県裾野市)に設置予定の「コネクティッド・シティ」プロジェクト イメージ図

 トヨタは、2020年1月7日に開催された家電見本市CES 2020において、人々の暮らしを支えるあらゆるモノやサービスがつながる実証都市「コネクティッド・シティ」のプロジェクト概要を発表した。

本プロジェクトでは、2020年末に閉鎖予定のトヨタ自動車東日本株式会社 東富士工場(静岡県裾野市)の跡地を利用して、様々なパートナー企業や研究者と連携しながら、新たな街づくりに向け、実証を進めていく予定だ。トヨタは、この街を「Woven City」(ウーブン・シティ)と名付け、スマートシティ実現に向けた取り組みを推進していく。

 一方、NTTグループは、都市・まちの様々な課題解決のため、福岡、札幌、横浜や千葉などの自治体や企業等と協業を進めており、2018年12月に公表したラスベガス市でのスマートシティの取り組みは、収集された各種データをラスベガス市が所有することとし、最先端のAI、IoT、ICTリソースの総合マネージメント技術を活用し、事件や事故の迅速な検知・分析や予測、最適なICTリソース管理等を実現しており、他都市への展開に向けた取り組みを推進している。

また、保有する不動産の利活用においてICT技術を活用したスマートなまちづくりを推進するNTTアーバンソリューションズ株式会社を2019年7月に設立。さらに、スマートシティの重要な構成要素であるスマートエネルギー(※3)分野で事業を推進するNTTアノードエナジー株式会社を2019年6月に設立するなど、NTTグループの持つアセットを最大限活用してスマートシティ実現に向けた取り組みを推進していく。

(※3) ICTを活用し、エネルギー効率の向上、地球温暖化対策・再生エネルギー技術活用、耐災性(レジリエンス)向上や地域のエネルギーの最適な需給マネージメント等を行うこと

20200324_01_01_jp.jpg▲スマートシティプラットフォーム概要(クリックすると拡大します)

 こうした取り組みを進める中、両社はスマートシティ化による課題解決や価値向上の効果を最大化し、地域力向上、及び国家力向上につなげるには、各社が個々のプロジェクトに取り組むだけでなく、両社が一体となり、スマートシティ実現のコア基盤となる「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築・運営し、国内外の様々なまちに連鎖的に展開することが必要と考えるに至った。

スマートシティにおいて、ヒト・クルマ・イエ、また住民・企業・自治体等に係る生活、ビジネス及びインフラ・公共サービス等の全ての領域への価値提供を行う「スマートシティプラットフォーム」を共同で構築。先行ケースとして、まずは静岡県裾野市東富士エリア(Woven City)と東京都港区品川エリア(品川駅前のNTT街区の一部)にて実装し、その後連鎖的に他都市へ展開を図っていく予定だ。

 今後、両社はスマートシティの競争力向上による更なる成長とともに、持続可能な社会の発展をめざしていく。

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