3カ月ぶりに前年同月比減
▲トヨタの伝統ブランド「カローラ」に2018年6月に新設定されたスポーツ・シリーズ 写真はG-Zグレード
決算月の3月は例年、新車販売が盛り上がりを見せる。しかし、2019年は例外だった。3月の国内新車総販売台数(軽自動車を含む)は64万811台。前年同月比は4%減となり、3カ月ぶりに前年実績を下回った。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した3月の新車販売台数(軽自動車を除く)は41万7373台。前年同月比は4.7%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。登録車の販売台数のうち、乗用車は35万7254台で、同5.7%減と、3カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。内訳は、普通車(3ナンバー)が同5.6%減の20万4379台と、3カ月ぶりのマイナス。小型車(5ナンバー)は15万2875台、同5.8%減と、4カ月連続の前年実績割れとなった。
メーカー別販売台数は、全8メーカー中、2社が前年実績を上回った。スズキは1万5146台を販売し、前年同月比は8.8%増と、43カ月連続のプラス。ダイハツは5342台で、同62%増と、4カ月連続で前年実績を上回った。
一方、トヨタ(レクサスを含む)は18万634台を販売したものの、前年同月比は0.5%減と、6カ月ぶりのマイナス。日産は5万350台にとどまり、同17.5%減と、4カ月連続の前年実績割れ。ホンダは4万6595台で、同5.1%減と、2カ月連続のマイナス。マツダは2万3911台で、同18.88%減と、2カ月ぶりの前年実績割れ。SUBARU(スバル)は1万6022台で、同5.4%減と、17カ月連続でダウンした。三菱は8475台で、同8.4%減と、17カ月ぶりに前年実績を下回った。
乗用車の車種別販売ランキングは、日産ノートが3カ月連続のナンバーワンで、1万6647台を販売。ただし、前年同月比は14%減と、3カ月連続のマイナスだ。2位はトヨタ・アクア(2月は3位)。1万5874台を売り上げ、同7.4%増と、3カ月連続のプラスとなった。3位はトヨタ・プリウス(2月は2位)。1万5541台を販売し、同0.9%のマイナスと、改良モデル投入で持ち直してきた。
以下、ベスト10は④日産セレナ1万2420台⑤トヨタ・ヴィッツ1万977台⑥トヨタ・ヴォクシー1万972台⑦ホンダ・フィット1万813台⑧トヨタ・シエンタ1万799台⑨トヨタ・カローラ1万549台⑩ホンダ・フリード9982台。フィットが2月の11位から順位を上げた。なお、ベスト10内で前年実績をクリアしたのは、アクア、ヴィッツ、カローラの3車種である。
純輸入車(日本メーカーの海外生産分を除く乗用車)のセールスは3万6614台。前年同月比は6%減と、2カ月連続の前年実績割れ。輸入車全体では4万2922台、同7.3%減と、4カ月ぶりに前年実績を下回った。
▲メルセデス・ベンツA180スタイル(AMGライン装着車)
純輸入車のブランド別販売台数ベスト5は、①メルセデス・ベンツ7838台②VW6475台③BMW5962台④MINI3115台⑤アウディ2306台。メルセデス・ベンツが49カ月連続で首位をキープした。VWは5カ月連続の2位。アウディはボルボを抜いて、3カ月ぶりに5位に復帰した。ベスト5中で、VWだけが前年実績を超えた。
Kカー(乗用車)の新車販売台数は17万5250台。前年同月比は4.6%減と、2カ月連続の前年実績割れ。商用車を含めたトータル台数は22万3438台で、同2.5%減と、9カ月ぶりに前年実績を下回った。
▲スズキ・スペーシア・カスタムXSターボ
乗用車の車種別販売ランキングのベスト5は、①ホンダN―BOX2万6418台②スズキ・スペーシア1万8848台③ダイハツ・タント1万8525台④ダイハツ・ムーヴ1万5978台⑤日産デイズ1万5848台。
N―BOXが19カ月連続の首位。ただし、前年同月比は1.6%減と、7カ月連続のマイナス。ベスト5内では、スペーシアとタントの2台が前年実績を上回った。
3月の国内新車セールスは登録車、輸入車、Kカーと、全3カテゴリーで販売が落ち込んだ。日本自動車工業会は19年度の4輪車総需要を、前年比2%減の522万3400台と予測。前年実績割れの予測は、15年以来だ。内訳は、登録車が同0.5%減の335万1400台、Kカーが同4.5減の187万2000台。10月の消費増税後は、取得税に代わって導入される自動車税環境性能割の軽減措置の効果で、通年ではほぼ横ばいになると予想されている。