厳しい戦いが続く日系メーカー、2019年2月欧州新車販売データ

6カ月連続で前年実績割れ 

シトロエンC3.jpg▲シトロエンC3エアクロス 欧州で人気の高いコンパクトSUV

 欧州新車セールスの減速が止まらない。2月実績は6カ月連続のマイナスとなった。政情不安のスペイン、新燃費テスト基準のWLTP未達成モデルが販売できないスウェーデンとフィンランドが落ち込むなどの影響が、販売データに表れた。

 欧州自動車工業会(ACEA)が発表した2月の欧州全域(EU+EFTA全30カ国)の新車(乗用車)販売台数は114万8775台。前年同月比は0.9%減と、6カ月連続で前年実績を下回った。

 5大主要国は、ドイツが26万8867台を販売。前年同月比は2.7%増と、6カ月ぶりに前年実績をクリアした。フランスは同2.1%増の17万2438台と、6カ月ぶりの前年実績超え。英国は8万1969台を販売し、同1.4%増と、6カ月ぶりのプラス。イタリアは17万7825台で、同2.4%減と、2カ月連続のマイナス。スペインは同8.8%減の10万701台と、6カ月連続で前年実績を割り込んだ。

 主要9社の販売実績を見てみよう。5カ月連続で首位に立ったのは、VWグループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)。販売台数は28万639台で、前年同月比は0.5%減と、6カ月連続で前年実績を下回った。主力のVWは同4%増の13万1144台と、6カ月ぶりに回復。アウディは同8.1%減の5万3709台と、6カ月連続の前年実績割れ。

 2位はフランスのPSAグループ(プジョー、シトロエン、オペルなどを含む)。前年同月比0.8%増の19万8321台を販売し、6カ月ぶりに前年実績を上回った。ブランド別販売実績は、プジョーが同0.2%増の7万9206台と、4カ月ぶりにアップ。シトロエンは同7.2%増の5万3017台と、3カ月連続で前年実績を上回った。オペルは6万3343台を売り上げたが、同3.4%減だった。

 3位はルノー・グループ(ダチアなどを含む)で、販売台数は12万1726台。前年同月比は0・02%の微増ながら、6カ月ぶりのプラス。主力のルノーは、同1.7%減の7万9134台と、6カ月連続の前年実績割れ。ダチアは同2.4%増の4万1716台と、2カ月連続で前年実績を超えた。

 4位はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループ(ランチアやアルファロメオなどを含む)。販売台数は8万213台で、前年同月比は5.2%減と、6カ月連続でダウンした。ブランド別は、フィアットが同11・4%減の5万3301台と、6カ月連続でダウン。アルファロメオは同41・4%減の4334台と、6カ月連続のマイナス。ランチア(クライスラーを含む)は同38・4%増の5817台と、4カ月連続のプラス。ジープは同35・5%増の1万6286台と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。

 5位は韓国のヒュンダイ・グループ(2019年から、ヒュンダイとキアを合算集計)。7万4896台を販売し、前年同月比は0.2%増だった。内訳は、ヒュンダイが同1.1%増の3万8451台、キアが同0.7%減の3万6445台。

 6位はフォードで、7万971台を販売。前年同月比は5.4%減と、6カ月連続の前年実績割れ。

 7位はダイムラー(メルセデス・ベンツとスマート)で、販売台数は6万8340台。前年同月比は4.7%増と、2カ月ぶりに前年実績を上回った。ブランド別は、メルセデスが同4.1%増の6万1007台と、2カ月ぶりにアップ。スマートは同9.8%増の7333台と、2カ月連続で前年実績プラスを記録した。

 8位はBMWグループ(MINIを含む)。6万5633台を売り上げたが、前年同月比は3.5%減と、4カ月連続の前年実績割れ。BMWは同5%減の5万2762台と、4カ月連続でダウン。MINIは同2.7%増の1万2871台と、2カ月連続で前年実績をクリアした。

レクサスUX250F欧州仕様.jpg▲レクサスUX250h 欧州デビューは2019年2月

 9位はトヨタ・グループ(レクサスを含む)。販売台数は5万3908台で、前年同月比は2%減と、3カ月連続のマイナス。ブランド別は、トヨタが同2.2%減の5万1262台。レクサスは同1.3%増の2646台と、2カ月連続でアップした。

 トヨタ以外の日本メーカーは、日産が2万9679台を販売し、前年同月比は24・3%減と、6カ月連続のマイナス。ホンダは8966台にとどまり、同8.5%減と、6カ月連続で前年実績を割り込んだ。マツダは同5.4%減の1万6734台、三菱は同30・4%増の1万1866台だった。

 18年の欧州新車セールスは1562万4486台で、前年比は0・04%減と、わずかにマイナスとなり、5年ぶりに前年実績を割り込んだ。英国のEU離脱は先延ばしとなったものの、ホンダが英国生産からの撤退を発表し、日産が新型車の英国生産中止を決めるなど、混乱が続く。不安要素が多い欧州新車マーケットの動向から目が離せない。

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