米国の第1四半期の新車販売がまとまった。GMを1746台差で抑えて首位に立ったのはトヨタで、51万4592台を販売。前年同期比は14.7%減と、2年ぶりの前年割れだった。
トヨタを含めた各社が、世界的な半導体不足の影響を受けて、生産調整を行ったことが低調なセールス結果につながった。需要はあるのに、生産できないというジレンマを抱えている。北米トヨタのジャック・ホリス副社長は、「トヨタとレクサスの両ブランドに信頼を寄せ、納車待ちに耐えている顧客に感謝したい」と語る。
2桁減となったトヨタの中でも、人気車種がある。たとえば、GR86はモデルチェンジ効果で前年同期の約4.3倍と好調。大型ピックアップトラックのタンドラも新型の発売により、前年同期比18.3%増と伸びた。
■2022年第1四半期(1〜3月) メーカー別米国新車販売台数
順位=メーカー:2022年第1四半期/2021年第1四半期(増減)
(各社の発表をもとに作成)
1=トヨタ:514,592/603,066(-14.7%)
2=GM:512,846/642,250(-20.1%)
3=フォード:432,132/521,334(-17.1%)
4=ステランティス:405,22/469,651(-13.7%)
5=ヒョンデ:310,870/326,680(-4.8%)
6=ホンダ:266,418/347,091(-23.2%)
7=日産:201,081/285,553(-29.6%)
8=SUBARU:132,346/160,426(-17.5%)
9=マツダ:82,268/83,258(-1.2%)
10=BMW/MINI:80,590/77,718(3.7%)
伸びたといえば、テスラである。テスラは米国市場に限定した販売台数は公表せず、グローバル市場での生産台数と販売台数(デリバリー台数)を公表している。2022年第1四半期の生産台数は30万5407台で、前年同期比69.4%増、販売台数は31万48台、同67.8%増だった。
主力モデルはモデル3/Yで、販売の95.3%を占めている。なお、オートデータ社の発表によれば、テスラの今期米国販売は12万9743台。前年比87.2%以上のアップだという。
ホンダはHR-V(日本名:旧型ヴェゼル)が前年同期比61.1%増、日産はEVのリーフが同49.4%増、SUBARU(スバル)はBRZが新型効果で同66.6%増。
マツダはCX-5が同24.3%増、マツダ3のファストバックが同70.3%増、三菱はアウトランダーが前年同期の約3.2倍、エクリプスクロスが約2.5倍と好調だ。
スポーツカーにSUV、EVと各社の得意車種が人気を集めた。新車販売回復のヒントが見えてくる。