販売減だが、ダウン幅が4月比で縮小
米国の5月新車セールスは、新型コロナウイルスの影響で多くのブランドが半減となった4月に対して、マイナス幅が縮小した。経済活動の一部再開やディーラーのオンライン販売の導入など、新車セールスに明るい兆しが見えつつある。
日本メーカーは、トヨタ(『オートモーティブニュース』調べ)が、16万5055台を販売した。前年同月比は25.7%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。ベストセラー乗用車のカムリは、同41.4%減の2万1182台と、3カ月連続のマイナス。カローラは同37.5%減の1万6063台と、6カ月連続で減少した。プリウスは、同52%減の3178台と3カ月連続のマイナス。SUVは、RAV4が3万6428台にとどまり、同16.3%減と、3カ月連続の前年実績割れ。中型SUVのハイランダーは、同49.1%減の1万962台と、3カ月連続で減少した。中型ピックアップトラックのタコマは、同8.9%増の2万4853台と、3カ月ぶりのプラス。
レクサス(同)は、1万9998台をセールス。前年同月比は18.5%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。乗用車系は、ESが同38.9%減の2899台、RCが同25.2%減の308台、LCが同43.8%減の77台と落ち込んだ。SUV系は、RXが同27.6%減の5381台、UXが同8.7%減の1296台。一方、GXは同37.6%増の2489台と回復。NXは4707台を売り上げ、前年同月比は2.1%増と、3カ月ぶりに前年実績を上回った。
ホンダ(同)、12万977台を販売。前年同月比は16.9%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。主力車の中では、アコードが1万7369台を販売。同27.3%減と、9カ月連続で減少した。CR-Vは、2万9023台、同6.1%減と、3カ月連続で減少した。シビックは、2万7244台、同16.9%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。中型SUVのパイロットは、同2.3%減の1万2227台。ミニバンのオデッセイは、同19.7%減の76488台と、6カ月連続のマイナス。新型SUVのパスポートは、同3%増の3536台と、3カ月ぶりの前年超え。HR-V(日本名ヴェゼル)は、同17.5%減の7063台と3カ月連続のマイナス。フィットは、同33.7%減の2598台と、3カ月連続で前年実績を下回った。ピックアップトラックのリッジラインは、同11.6減の2553台と、3カ月連続のマイナス。
なお、日本の日産と三菱、米国のGMとフォードとFCAは、20年から販売実績を四半期ごとの発表に変更した。メルセデス・ベンツ、BMW、アウディも同様だ。
この他の日本メーカーでは、SUBARU(スバル)が5万1988台を販売。前年同月比は18.7%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。主力のアウトバック(日本名レガシィ・アウトバック)は1万1382台、同36.8%減と3カ月連続で減少。SUVのクロストレック(日本名XV)は、9486台をセールスし、同17.9%減と3カ月連続で減少。インプレッサは、同44.2%減の3085台と、6カ月連続でダウン。フォレスターは同11.4%増の1万7859台と、3カ月ぶりに増加した。
マツダは2万4933台を販売。前年同月比は1%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。最量販車はSUVのCX-5で1万2140台、同13.6%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。CX-9は2421台、同20.8%増と、3カ月ぶりに増加。CX-3は同29.1%減の842台、4カ月連続でダウンした。新型SUVのCX-30は、3583台を販売。乗用車はマツダ6が、同30.8%減の1477台と、4カ月連続で前年実績を下回った。マツダ3は、同32.2%減の3368台。スポーツカーは、MX-5ミアータ(日本名ロードスター)が1102台を販売し、前年同月比は30.7%増と、3カ月ぶりのプラスとなった。
欧州勢は、ボルボカーズが、9519台を販売した。前年同月比は2.5%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。販売の主力は、XC40、XC60、XC90のSUV3車種。これらのSUVの販売が、全体の85%を占めている状況だ。中でもXC40は5月、18年の発売以来、月販新記録(2305台)を達成した。前年同月比は34.4%増と伸びた。
新型コロナウイルスの影響で、19年実績(約1710万台)超えは厳しい状況。スバル・オブ・アメリカのトーマスJ・ドール社長兼CEOは、「新型コロナウイルスの感染拡大が自動車産業と米国全体に与えた影響は大きい」と語っている。