6月の国内新車販売台数は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の影響を受け、34万7371台と35万台を割り込んだ。これは6月としては過去最少の数値。5月よりも前年同月比の落ち込みは小さくなっている点はいいニュース。販売の現場からは「徐々に客足が戻りつつある」という報告があり、秋に向けての販売拡大に期待がかかる。
6月の国内新車セールスが、新型コロナウイルスの影響で大幅にダウンした。
6月としては、東日本大震災が発生した11年の35万1826台を下回り、過去最低を記録した。総販売台数(軽自動車を含む)は、34万7371台。前年同月比は22.9%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。5月の44.9%減と比較すると、マイナス幅は改善したが、それでも大幅ダウンが続いている。
自販連が発表した新車販売台数(軽自動車を除く)は、21万4857台。前年同月比は26%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。登録車の販売台数の中で、乗用車は18万2128台。同26.6%減と、9カ月連続の前年実績割れ。普通車(3ナンバー)が同29.9%減の9万7682台と、9カ月連続のマイナス。小型車(5ナンバー)は8万4446台にとどまり、同22.4%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。
メーカー別は、全8社中7社が前年実績を下回った。トヨタは10万4478台で、前年同月比は22.1%減と、9カ月連続で減少。ホンダは2万4181台を販売し、同29.3%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。日産は1万8920台にとどまり、同40・8%減と19カ月連続の前年割れ。マツダは8461台で、同22.8%減と、3カ月連続の前年実績割れ。スズキも8060台にとどまり、同は9.8減と、14カ月連続で減少した。SUBARU(スバル)は6485台で、同33.5%減と、5カ月連続でダウンした。三菱は1287台で、前年同月比は64.7%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。
一方、小型SUVのロッキーが好調なダイハツは3360台。前年同月比は46.5%増と、8カ月連続で前年実績をクリアした。
乗用車の車種別販売ランキング首位は、トヨタ・ライズで、5月の2位から浮上。初のナンバーワンに輝いた。1万2823台の売り上げ。コンパクトSUVに対するユーザーのニーズが現れた。2位はヤリスで、1万967台を販売した。
3位はトヨタ・カローラで、5月の4位からランクアップ。6月は9311台を販売。前年同月比は10.4%増と2桁増を達成した。
以下、ベスト10は、
④ホンダ・フィット 9016台
⑤トヨタ・アルファード 6835台
⑥日産ノート 6010台
⑦ホンダ・フリード 5595台
⑧日産セレナ 5288台
⑨トヨタ・ルーミー 5230台
⑩トヨタ・ヴォクシー 4812台
ノートが5月の10位から上昇した。セレナは5月の13位から急浮上して、8位に。トヨタ・ヴォクシーも5月の12位から、トップ10入りした。
輸入車(日本メーカーの海外生産分を除く乗用車)は、2万1075台。前年同月比は32.3%減と、9カ月連続の前年実績割れ。輸入車全体でも2万5354台にとどまり、同28.9%減と、16カ月連続で前年実績を下回った。
純輸入車のブランド別販売台数ベスト5は、
①メルセデス・ベンツ 4609台
②BMW 3220台
③VW 2752台
④アウディ 1822台
⑤MINI 1714台
メルセデス・ベンツが、64カ月連続で首位に立った。BMWは3カ月連続の2位。ベスト5内の全ブランドが、前年実績を下回った。
Kカー(乗用車)は、10万1764台。前年同月比は14.4%減と、9カ月連続の前年割れ。商用車を含めたトータル台数は、13万2514台。同17.3%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。
乗用車の車種別販売ランキングのベスト5は、
①ホンダN-BOX 1万5557台
②スズキ・スペーシア1万2072台
③日産ルークス 9431台
④スズキ・ハスラー 7875台
⑤ダイハツ・タント 7263台
N-BOXが、7カ月連続でナンバーワンを維持した。
史上最低レベルに落ち込んだ国内新車セールス。しかし、ディーラーからは「客足が戻りつつある」との声も出ている。豊富な新車発表ニュースとともに、明るい兆しといえる。