PIRELLI、FIAT500コレクターへ向けてクラシックな外観と現代のテクノロジーを併せ持つタイヤ「CINTURATO CN54」新登場

　ピレリは、イタリア大衆車の象徴として知られる1957年から製造された「FIAT 500」向けに、当時のタイヤをリニューアルし、新しいタイヤ「「CINTURATO CN54」」を発表した。

　このタイヤは、1950年から1980年製造の車へ向けて開発されたCollezione（コレッツィオーネ）ファミリーの製品の一つとして登場。車製造当時のオリジナリティーを維持したクラシックな外観と現代のテクノロジーを併せ持つ特徴がある。

　「Cinturato CN54」このラジアルタイヤ「Cinturato CN54」は、トレッドパターンとサイドウォールこそオリジナルと同様の外観だが、現代のテクノロジーによって製造されている。最新のコンパウンドを使用したピレリCollezioneタイヤは、グリップやウェット路面のロードホールディング性能を向上させ、外観をオリジナルに留めたままで信頼性と高水準の安全性を保証する。

　タイヤの研究開発工程を通して、ピレリのエンジニアは、車が製造された当時と同じパラメータを使用して、新品時のサスペンションやシャシーと完璧にフィットするタイヤを目指した。エンジニアたちは、この目標を達成すべく、ミラノのピレリ財団に保存されているオリジナルタイヤの素材やデザインを参考にした。

　1957 年に製造されたFiat500は、全長 2.95m、479cc、13馬力、最高速度 85kmという仕様だった。タイヤサイズは125 12 だ。Fiat 500はレンジを拡大させ、1960年には、オリジナルのNに続くDバージョンが発表された。

　Dバージョンは、ピレリセンピオーネシリーズの「セーフティーショルダー」を最初に採用した車だ。セーフティーショルダーは、コーナリング時のロードホールディングを向上させる丸みを帯びたサイドウォールを特徴としている。1965 年にはFiat 500Fが、1968 年には500Lが、ともにピレリの 12インチタイヤを装着して登場した。そして 1972年にRバージョンが発表されたとき、ピレリCinturatoタイヤレンジに属するラジアルの CN54（サイズ 125 R 12）が装着された。このタイヤこそが、象徴的なイタリアのクラシックカー向けにピレリがリニューアルしたタイヤだ。

　CA67トレッドパターンデザインを踏襲した CN54 は、ラリーでの経験を受け継いだタイヤで、快適性とタイヤ寿命を向上させた新しいベルト構造によってCinturatoの名前を世界中に浸透させた。

■PIRELLI COLLEZIONE について
　Pirelli Collezione ファミリーは、タイヤを通じて自動車の歴史を維持することを目的として誕生した。そのため、オリジナルバージョンの外観と運転感覚を維持しながら、最新の技術と製造プロセスにより効率と安全性を向上させている。そのレンジは、1927 年に最初に発売された伝説的なステラ・ビアンカをはじめとし、2018年に復活を遂げ、世界で最も高価な車と謳われるフェラーリ250GTOへ独占供給されているステルヴィオや、CA67（1955）、CN72（1964）、CN36（1968）、CN12（1968）、Cinturato P7（1974）、P5（1977）、P Zero（1984）および P700-Z（1988）などで構成されている。