7月の新車販売はスズキとダイハツが前年比増を達成。登録車はトヨタがトップ4独占

▲トヨタ・ハリアー 7月は9388台を販売した
▲トヨタ・ハリアー 7月は9388台を販売した

国内新車マーケットが、回復傾向を見せている。中でもスズキとダイハツは登録車、軽自動車ともに前年同月実績を超えた。トヨタは新型ヤリスが車種別販売ランキング(登録車)1位に輝き、2位ライズ、3位カローラ、4位ハリアーと上位を独占。

 7月の国内新車セールスが、回復傾向を見せた。各メーカーが通常の生産体制に戻りつつあり、緊急事態宣言が発出された5月が、新車セールスの底だったと見られる。
 国内の新車総販売台数(軽自動車を含む)は、39万6346台。前年同月比は13.7%減と、10カ月連続で前年実績を下回った。しかし、6月の22.9%減、5月の44.9%減と比較すると、マイナス幅は縮小した。
 自販連が発表した7月の新車販売台数(軽自動車を除く)は、23万9355台。前年同月比は20.4%減だった。乗用車は20万7473台、同19.6%減。その内訳は、普通車(3ナンバー)が同21.5%減の11万378台と、10カ月連続のマイナス。小型車(5ナンバー)は9万7095台にとどまり、同17.4%減と、4カ月連続で前年実績を下回った。
 メーカー別は、全8メーカー中6社が前年実績割れを喫した。トヨタは12万4167台で、前年同月比は16.7%減と、10カ月連続で減少。ホンダは2万5473台を販売し、同24.6%減と、10カ月連続で前年実績を下回った。日産は2万2333台にとどまり、同30%減と20カ月連続の前年割れ。マツダは1万35台で、同27.7%減と、4カ月連続で前年実績マイナス。SUBARU(スバル)は7454台で、同28.8%減と、6カ月連続でダウンした。三菱は1555台で、同54.9%減と、10カ月連続で前年実績を下回った。
 ロッキー(2595台)が好調なダイハツは4133台。前年同月比は40.5%増と、9カ月連続で前年実績をクリアした。ソリオ(3430台、前年比11.6%増)が支持されているスズキも、9862台を売り上げ、同8.9%増と、15カ月ぶりにプラスとなった。

▲トヨタ・カローラ・ツーリング カローラ・シリーズは車名別販売ランキングで3位に入った
▲トヨタ・カローラ・ツーリング カローラ・シリーズは車名別販売ランキングで3位に入った

 乗用車の車種別販売ランキングは、トヨタ・ヤリスが1万4004台を販売し、2カ月ぶりの首位に返り咲いた。2位はトヨタ・ライズで、1万2283台を売り上げた。3位は1万994台を販売したトヨタ・カローラ。登録車の販売ランキングで1~3位を占めたトヨタ車は、そろって月販1万台超えを達成。
 以下、ベスト10は、
④トヨタ・ハリアー 9388台
⑤ホンダ・フィット 9213台
⑥トヨタ・アルファード 8448台
⑦日産セレナ 7686台
⑧日産ノート 6730台
⑨トヨタ・ルーミー 6528台
⑩トヨタ・シエンタ 5344台

 モデルチェンジしたハリアーが、6月の13位から上昇して、4位につけた。前年同月比は173.3%増と大きく伸びた。シエンタは6月、14位に後退していたが、7月は2カ月ぶりにベスト10内に復帰した。

▲メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク メルセデスは5年以上にわたってブランド別トップをキープ
▲メルセデス・ベンツCLAシューティングブレーク メルセデスは5年以上にわたってブランド別トップをキープ

 輸入車(日本メーカーの海外生産分を除く乗用車)の7月販売は、1万8338台。前年同月比は17.9%減と、10カ月連続の前年実績割れ。輸入車全体でも2万841台にとどまり、同22.5%減と、17カ月連続で前年実績を下回った。
 純輸入車のブランド別販売台数ベスト5は、
①メルセデス・ベンツ 4620台
②VW 2537台
③BMW 2498台
④MINI 1670台
⑤アウディ 1476台
メルセデス・ベンツが、65カ月連続のナンバーワン。VWはBMWを上回り、4カ月ぶりの2位。ベスト5内ではアウディだけが、前年実績を上回った。

▲ホンダN-BOX  8カ月連続で販売台数トップ
▲ホンダN-BOX 8カ月連続で販売台数トップ

 Kカー(乗用車)の7月新車販売台数は、12万3298台。前年同月比は1.7%増と、10カ月ぶりの前年超え。商用車を含めたトータル台数は、15万6991台。同1.1%減と、10カ月連続で前年実績を下回った。
 乗用車の車種別販売ランキングのベスト5は、
①ホンダN-BOX 1万6222台
②スズキ・スペーシア 1万3338台
③ダイハツ・タント 1万3108台
④ダイハツ・ムーヴ 1万73台
⑤スズキ・ハスラー 8831台
 N-BOXが8カ月連続で首位をキープした。
 国内新車セールスは登録車と輸入車はマイナス傾向にあるが、Kカー(乗用車)の販売が10カ月ぶりに、ほぼ前年同月水準に回復したのは、心強い。

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