2020インディカー・シリーズ第7戦 第104回インディアナポリス500マイルレース(以下、インディ500)の決勝レースが、8月23日(日)、米国インディアナポリス・モータースピードウェイで開催され、Rahal Letterman Lanigan Racing(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)の佐藤琢磨選手が800kmを超えるレースをトップでフィニッシュし、2017年大会に続く2度目の優勝を果たした。
1911年に初開催され、100年以上の歴史を持つインディ500。今回の優勝で佐藤選手は史上20人目の複数回優勝者となった。また、Hondaエンジンとしては3年ぶり、通算13勝目※1を挙げた。
日本人過去最高順位となる予選3番手からスタートした佐藤選手は、堅実な走りを見せて終盤にトップに浮上すると、最終ピットストップ後の競り合いを制し、昨年大会でトップと約0.3秒差の僅差で勝利を逃した雪辱を果たし、見事栄冠に輝いた。
インディ500は毎年5月末、米国のメモリアルデイ(戦没将兵追悼記念日)の週末に開催され、決勝日には30万人を超える観衆の前で最高速度380km/hにもなるスピードで争われるレースイベントだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から8月下旬に延期となった上、無観客での開催となった。
佐藤琢磨選手は、2013年にはAJフォイト・レーシングで第3戦ロングビーチでインディカー・シリーズ日本人初優勝。2017年アンドレッティ・オートスポーツにて第101回インディ500で日本人初優勝を記録。翌2018年 レイホール・レターマン・ラニガン・レーシングに移籍し、2019年 第103回インディ500でトップに約0.3秒及ばず、3位。そして2020年 第104回インディ500予選で日本人過去最高位となる3位を獲得し、決勝レースで自身2度目となる優勝を果たした。
※1Hondaエンジンの勝利は、2004~2012年、2014、2016、2017、2020年。このうち、2006~2012年は1社供給
■佐藤琢磨選手のコメント
「第104回インディ500に勝つことができ、言葉にならないくらい、多くの方々への感謝の気持ちでいっぱいです。また、このコロナ禍の中、多くの方々のサポートがあって今年のインディ500が開催できたことにも感謝します。終盤の燃料戦略でディクソン選手に1周の遅れをとっていて、ゴールまでの燃費は少し厳しかったのですが、できる限り燃料をセーブする走りを続け、最終的には最後のバトルが激しくなったとしてもフルパワーで戦える燃料を確保できていました。
HPD※2とHondaは、パワーもあって燃費の良いエンジンを作ってくれました。また、チームは最高のマシンに仕上げ、ピットストップで素晴らしい働きをしてくれました。
日本のファンのみなさんは、夜中からのテレビ観戦だったと思います。応援ありがとうございました。インディ500での2勝目をこうして挙げることができたのは、みなさんの応援があるおかげだと思います。シリーズの最後までチャンピオンを目指してがんばります!」
※2 ホンダ・パフォーマンス・ディベロップメント(インディカー・シリーズにエンジンを供給するレース運営会社)
■本田技研工業株式会社 代表取締役社長 八郷隆弘のコメント
「世界3大レースのひとつであるインディ500で2度目の勝利を挙げ、世界のモータースポーツの歴史に新たな足跡を残すことになった琢磨選手と、チームおよび関係者の方々、そして、琢磨選手を応援してくださっているファンの皆さまに心からの感謝申し上げるとともに、この快挙達成の喜びを分かち合いたいと思います。またこのニュースが、新型コロナウイルス感染拡大の影響が続く世の中にとって明るい話題となることを願います。琢磨選手、本当におめでとう!」