2020年シーズンのFIAフォーミュラ・ワン世界選手権(F1)において、9月6日に開催された第8戦イタリアグランプリの決勝で、Hondaのパワーユニット「RA620H」を搭載したマシンを駆る、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー選手がF1における初優勝を果たした。この勝利はHondaとして今シーズンの2勝目、通算では77度目のグランプリ制覇となる。
イタリアGP予選では、メルセデスの2台が速さを発揮し、フロントロウを独占。ホンダPUを駆るレッドブル・ホンダのM.フェルスタッペンは予選5位。同じくレッドブルのA.アルボンが9番手、アルファタウリのP.ガスリーが10番手と続いた。
決勝レース、当初モンツァでの戦いは無敵のメルセデスにとって容易いものになるかと誰もが考えていた。しかし、レースが大きく動いたのは、19周目。ハースのK.マグヌッセンがピット入口近くのコース上でマシントラブルによりストップしてしまう。
1位を走っていたメルセデスは、セーフティカー出動中にピットレーンがクローズされていたにもかかわらず、ルイス・ハミルトンのピットストップを行うという重大なミスを犯しペナルティが課されてしまう。
その後、ピット戦略が上手くいったアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが上位に組み込み、レース終盤マクラーレンからの猛追を受けながらも僅差で勝ち、初優勝をものにすることとなった!
■本田技研工業株式会社 代表取締役社長 八郷隆弘のコメント
「初優勝を挙げたピエール・ガスリー選手を心から祝福します。本当におめでとう!ドラマチックな展開で本当にドキドキが止まらない名勝負でした。
ガスリー選手はどんなときでもあきらめずにチャレンジを続け、昨年のブラジルグランプリでの2位入賞に続き、今回のレースでも見事にチャンスをつかみ取りました。チャレンジング・スピリットはHondaの企業姿勢にも通ずるものですが、この快挙は我々を大きく勇気づけるものとなりました。
前身であるスクーデリア・トロロッソの頃からHondaとともに歩み始め、今大会が50戦目という節目のレースでの優勝となりました。フランツ・トスト代表をはじめとするスクーデリア・アルファタウリのチームメンバーおよび関係者の方々、そしていつも応援して下さるファンの皆さまにHondaを代表して感謝を申し上げるとともに、喜びを分かち合いたいと思います。
2020シーズンはまだ半分を残していますが、Hondaはスクーデリア・アルファタウリとレッドブル・レーシングの両チームと力を合わせてあくなきチャレンジを続けてまいりますので、これからもご声援をよろしくお願いします」
■ピエール・ガスリー選手の主な戦績
2013年 欧州フォーミュラ・ルノー2.0シリーズ 年間チャンピオン
2014年 フォーミュラ・ルノー3.5シリーズ 年間2位
2015年 GP2シリーズ※2参戦
2016年 GP2シリーズ 年間チャンピオン
2017年 全日本スーパーフォーミュラ選手権 年間2位
第15戦マレーシアGPでトロロッソよりF1デビュー
2018年 レッドブル・トロロッソ・ホンダよりF1フル参戦
第2戦バーレーンGPで4位入賞
2019年 アストンマーティン・ レッドブル・レーシング※3よりF1に参戦
第13戦ベルギーGPからレッドブル・トロロッソ・ホンダに移籍
第20戦ブラジルGPで2位入賞
2020年 スクーデリア・アルファタウリ・ホンダ※4よりF1に参戦
第8戦イタリアGPで初優勝
※2F1への登竜門として位置づけられていたカテゴリー。現在のFIA フォーミュラ・ツー選手権(F2)に相当
※3レッドブル・レーシングがHondaパワーユニットを採用して参戦したチーム名
※4前年までのレッドブル・トロロッソ・ホンダより改称