フォード・ブロンコ、ジープ・グランドワゴニア 。一時生産を中止していたビッグネームが復活する。現在の米国市場はSUVとピックアップトラックが販売の中心を占めている。そうしたマーケットの動向に対応した名車の復活である。
7月、フォードが新型ブロンコと新型ブロンコ・スポーツの発売を公表した。そして9月、FCAはジープ・ブランドからグランド・ワゴニアのコンセプトモデルを公開。アメリカンSUVの歴史を築いてきたビッグネームの再登場は、大いに注目を集めている。
ブロンコのルーツは1941年に開発された軍用車、フォードGP(ゼネラルパーパス)。その後1966年に民生用として1stブロンコが発売された。ブロンコは1966年に生産を中止したが、四半世紀を経て再デビューとなった。
新型の特徴は、ブロンコの伝統に基づいたワイルドでタフな性能。2ドアと4ドアが設定され、「発表から3週間で16万5000台の予約があった」とメーカーは説明している。
4ドアのボディサイズは全長×全幅×全高4810×1928×1854mm。エンジンは2.3リッター直4(270ps㎰)と2.7リッターV6(310ps)。トランスミッションはクロールギア付きの7速ATと、10速ATだ。ブロンコ2ドアの全長は4412mm。ルーフやドアが取り外せる。
ブロンコ・スポーツ(4ドア)は全長4387mm、エンジンは1.5リッターと2リッターを搭載。コンパクトなボディだが、タフな4WD性能は新型ブロンコ譲りの「スポーツ・オフロード・ビークル」だ。
FCAのジープ・ブランドが発表した話題車が、グランドワゴニア・コンセプト。プレミアムテイストを重視したフルサイズSUVとして、2021年に市販がスタートする予定である。
ワゴニアは、1962年にデビュー。1984年にグランド・ワゴニアと改称し、1991年まで生産が続いた。新生グランド・ワゴニアは、アメリカンプレミアムの典型的なモデルとして、その魅力をユーザーにアピールする。グランド・ワゴニアは、プラグインハイブリッドを搭載した4WDモデルとして開発が進んでいる。
今年上半期の米国新車販売を車名別で見ると、36万台以上を販売したフォードFシリーズを筆頭に、ダッジ・ラムやトヨタRAV4、ホンダCR-V、日産ローグなど、10万台以上を販売したモデルは大半がSUV系だ。フォードとFCAが往年のブランドに磨きをかけて開発する背景には、SUVを好む現在の米国市場のトレンドがあるのではないか。