欧州新車セールスが、8カ月ぶりに前年実績をクリアした。しかし、欧州では、再び新型コロナウイルスの感染が拡大し、ロックダウンが実施されるなど、市場環境は厳しい。
9月の欧州全域(EU+EFTA+UK全30カ国)の新車(乗用車)販売台数は130万48台。前年同月比は1.1%増と、8カ月ぶりに前年実績を上回った。
モデル別販売台数のランキングを見ると、トップがVWゴルフ(2万8731台)、2位がオペル・コルサ(2万6269台)3位ルノー・クリオ(2万3986台)だった。
5大主要国は、ドイツは26万5227台を売り上げ、前年同月比は8.4%増と、9カ月ぶりに前年実績超え。イタリアは15万6132台、同9.5%増と、9カ月ぶりのプラス。一方、英国は32万8041台、同4.4%減。フランスは、同 3%減の16万8289台と、2カ月連続で前年実績を下回った。スペインは同13.5%減の7万729台と、2カ月連続で前年実績を下回った。
主要9社の販売実績を見てみよう。24カ月連続で首位を守ったのは、VWグループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)。で29万4957台。前年同月比は14.1%増。2位は、フランスのグループPSAで同14.1%減の17万9469台。
3位はルノー・グループ(ダチアを含む)の12万7739台、同8.1%増。4位は韓国のヒュンダイ・グループ。10万1322台の販売にとどまり、同0.8%減。 5位はBMWグループ(MINIを含む)。9万448台、同11 .9%減だった。
6位はダイムラー(メルセデス・ベンツとスマート)。8万8303台を販売し、同7.7%減。 7位は、トヨタ・グループ(レクサスを含む)で、7万9514台、同8.7%増。8位はフォードの7万9433台、同4.5%減。
9位は、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループ(ランチアやアルファロメオを含む)で、7万7807台、同11.8%増。
トヨタ以外の日本メーカーは、日産が3万6113台(同6.6%増)、ホンダ1万2005台(同3.8%増)。マツダは同23.4%減の2万380台。三菱は同25%減の9038台だった。
欧州の20年1~9月は856万7920台にとどまり、前年同期比は29.3%減。ACEA(欧州自動車工業会)は、「新型コロナウイルスは依然として、20年の欧州新車セールスに大きな影響を与えている」と、9月の回復を受けても、楽観視はしていない。
調査会社JATOの発表によると、9月の欧州新車販売のうち電動車(ハイブリッドを含む)の比率は25%。8月の21%、7月18%、6月16%と、急速に拡大し、台数ベースではディーゼル車を超えた。10年前のディーゼル比率は50%、電動車は1%だった。
ハイブリッド/マイルドハイブリッド車の販売トップはトヨタ・カローラ(1万5093台)、プラグインハイブリッド車はメルセデス・ベンツAクラス(4782台)、EVはテスラ・モデル3(1万5702台)となっている。