2020年11月、欧州新車セールスが、2カ月連続で前年実績を下回った。これは、新型コロナウイルスの感染拡大の影響。英国で見つかった新型コロナウイルスの変異種が、欧州全域に拡大する傾向を示しており、今後の新車販売への影響は避けられない。
20年11月の欧州全域(EU+EFTA+UK全30カ国)の新車(乗用車)販売台数は104万7409台。前年同月比は13.5%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。
5大主要国は、すべて前年割れ。
ドイツは29万150台を売り上げたものの、前年同月比は3%減。
イタリアは13万8405台、同8.3%減。
フランスは、同27%減の12万6047台と、4カ月連続で前年実績を下回った。
英国は11万3781台にとどまり、同27.4%減。
スペインは同18.7%減の7万5708台と、4カ月連続で前年実績を下回った。
主要9社の販売実績を見てみよう。
26カ月連続で首位に立ったのは、VWグループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)。販売台数は 26万9235台。前年同月比は14.1%減だった。ゴルフは2万4784台を販売して車名別ランキング1位だった。
2位はグループPSA。前年同月比12%減の15万2213台。
3位はルノー・グループ(ダチアを含む)。販売台数は10万4442台。同14.2%減。上位3グループは、VWのID3、プジョーe-2008、ルノー・ゾエなどの商品力の高いEVをラインアップしている。
4位はBMWグループ(MINIを含む)。7万9178台を販売し、同8%減。
5位はダイムラー(メルセデス・ベンツとスマート)。7万4261台を販売し、同15.5%減。
6位はヒュンダイ・グループの6万5943台、同20.1%減。
7位は、FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループ(ランチアやアルファロメオを含む)で、販売台数は6万5091台、同4%減。
8位は、トヨタ・グループ(レクサスを含む)。販売台数は6万586台、同1.9%減。ヤリスは1万9397台を販売して車名別ランキング2位に入った(JATO調べ)。
9位はフォードの5万6109台、同23.8%減だった。
トヨタ以外の日本メーカーは、日産が2万3324台、同12%減。マツダは同38.1%減の1万4076台。三菱は同37.8%減の6966台。ホンダは5430台で、同35.8%減と振るわない。
欧州の20年1~11月は1074万6293台にとどまった。前年同期比は26.1%減、台数にすると380万台程度減少した計算になる。欧州は昨年、クリスマス休暇を前に新型コロナウイルス感染防止を強化するために、人々の移動を厳しく制限した。こうした動きが新車販売に影響を与えることは必至だ。