クルマの新時代を切り拓く「人」ルノー・ジャポンCEO 小川隼平さん インタビュー
私が最初にお会いしたのは今春に開催されたルノーの新型「アルカナ」の試乗会会場。来場したメディアやジャーナリストの元に自ら出向いて丁寧に挨拶し、車の感想を聞いていた方。その肩書は「副社長」。
それから間もなく、大極CEOが引退され、小川氏は新CEOに就任。
もともとクルマ好きで、ビジネスにも関わりたいと思っていたため、この人事はご本人曰く「ハッピー」とのこと。
小川 自分ができることは限られていますが、大きな組織だと何事も決定が遅いんです。早く動ける会社で活動する機会をいただき、ありがたいと思っています。大極さんの期待に応えるため、ルノー・ジャポンでベストを尽くします。
― ルノーは日本に於いて、大極CEOの時代に、商品導入をそれまでのラインアップからよりニッチな車種だけに絞り込んで導入。しかもその戦略が成功していますね。
小川 カングー、RSなどニッチなモデルに絞り込むことでルノー・ジャポンは上手く戦えてきたと思います。しかし今後は環境に対応しつつ、会社として少し変わる部分が必要です。実力に合わせつつ市場に対応するため、これまでの’FTS戦略‘は、フレンチ/タッチ/スポーツだったものを新しい戦略では、時代に合わせて「T」の部分が’テクノロジー‘となります。また、スポーツモデルに関しては強みであり、こちらの弱点はありません。とはいえ課題も見えてきています。正常進化しつつ、時代の大きな変化をどう乗り越えていくかを会社としてネットワークを含めて対応していきます。
― 小川CEOが考えるルノー車の魅力とは?
小川 ルノーの車は、走る・曲がる・止まるを思いっきり楽しめます。今後はベースの認知度を上げることです。一方のアルピーヌは、車の成り立ちが好きすぎます(笑)こちらは走る・曲がる・止まるの最たるものであり、アイコンです。作る側はコスト度外視で作っていて、ブランディングもされています。ルノーにとってもアルピーヌは重要で、日本は2021年、フランスに次いで世界2位の市場。私は2021年からどうバランスするかという大極イズムを教わりました。自分ルールではお客様が一番大事で、自分に近い人がフルパワーで働けること。目標はフレンチブランド好感度No.1です!
(このインタビューはカー・アンド・ドライバー2022年10月号から一部抜粋して掲載しました)