日産「第71回自動車技術会賞」において、技術開発賞と論文賞を受賞

 日産は26日、公益社団法人 自動車技術会主催の「第71回自動車技術会賞」において、同社の「高速道路複数車線の運転支援システムの開発」が技術開発賞を、「乗員の快適性を向上させる車両運動の探求」が論文賞を受賞したと発表した。

▲公益社団法人 自動車技術会
▲公益社団法人 自動車技術会

自動車技術会賞は、1951年に自動車工学および自動車技術の向上発展を奨励することを目的として設けられ、自動車技術における多大な貢献・功績に対し贈られている。

今回受賞した技術、技術者および受賞理由*1は次の通りだ。

「高速道路複数車線の運転支援システムの開発」が技術開発賞を獲得

▲高速道路複数車線の運転支援システム(イメージ)
▲高速道路複数車線の運転支援システム(イメージ)

 本システムは車両に搭載した7個のカメラ、5個のレーダ、12個のソナーと、GNSS(全球測位衛星システム)、3D高精度地図データを組み合わせて使用することで車両の前方だけでなく、左右や後方など周囲360度の情報と、道路上の正確な位置を把握する。3D高精度地図データには、道路構造を把握できる情報と車線の数、合流・分岐・交差の位置の情報が含まれる。本システムは、これらの情報を使うことでドライバーが常に前方に注意して道路・交通・自車両の状況に応じ直ちにハンドルを確実に操作できる状態にある限りにおいて同一車線内でハンズオフを実現し、さらにナビゲーションシステムの経路誘導と連携することで高速道路上においてシステムが追い越しや分岐なども含めてルート上にある出口までの走行を支援する新しい運転支援技術であり、高く評価される。

受賞者:谷口 洋平、出川 勝彦、徳永 誠士、長江 新平、佐々木 光次

更に「乗員の快適性を向上させる車両運動の探求」が論文賞を獲得

▲両運動が乗員に与える影響を理解するために、ヒトの運動感覚認識をモデル化した新たな感覚評価関数を提案
▲両運動が乗員に与える影響を理解するために、ヒトの運動感覚認識をモデル化した新たな感覚評価関数を提案

 自動運転の時代を迎え、人ではなくシステムが操作する前提での、乗員に快適な車両運動の研究が求められている。本論文では、まず車両運動が乗員に与える影響を理解するために、ヒトの運動感覚認識をモデル化した新たな感覚評価関数を提案した。次に、乗員の身体モデルと車両を接合し、乗員の運動感覚と車両挙動を連動させた解析を可能にした。そして、著者らが構築してきた最適化計算技術により、従来のドライバー中心の性能開発技術では出来得なかった、自動運転システムにおける車両運動特性の最適化を可能にした。

本論文の乗員観点での快適な車両運動設計の考え方は、既に開発過程に適用されており、高速道での車線変更制御の『安心感』向上に貢献している。構築した方法論は今後のモビリティを考えていく上での広い応用性もあり、高く評価される。

受賞者:    牧田 光弘、松下 晃洋、草柳 佳紀、三浦 雅博

※1 公益社団法人自動車技術会発行「第71回自動車技術会賞 受賞者発表用パンフレット」より引用

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