77.8%。
電動化が進む欧州諸国の中でも突出して高いBEVの新車販売比率を示している国がある。どこかおわかりだろうか。
正解はノルウェー。発電の約90%を水力(再生可能エネルギー、再エネ)でまかない、ガス発電が約1%と、化石燃料はほとんど使っていない。家庭用の電気料金は日本の約3分の1(一般社団法人海外電力調査会のデータ)である。
これに加えて、政府がBEV普及を後押しする税制面での優遇やフェリーの利用料金の優遇などを実施。中でも付加価値税(VAT)が免税になったのが大きかった。2021年のデータになるが、ノルウェーで最も売れた新車はテスラ・モデル3、2位がトヨタRAV4、3位がVW・ID.4だった。
欧州でBEVの新車販売比率が20%を超えているのは、この他にスウェーデン(28.4%)とアイスランド(27.8%)、オランダ(20.6%)である。
スウェーデンは2045年までにカーボンニュートラルを実現する方針を掲げている。スウェーデンはゼロエミッション車(ZEV、BEVなど)とPHEVに対して、税制の優遇措置がある。BEVとPHEVに適応されるインセンティブはBEVのほうが有利なため、BEVの販売好調(2022年1〜9月、5万8022台、前年同期比55.2%増)が顕著(PHEVは同20.6%減の4万7346台)だ。
2023年を迎えた現時点でも、一般的にBEVは内燃機関搭載モデルよりも高い。米国カリフォルニア州の新車ディーラー協会でも、昨年の時点で「BEVの金額が手ごろになるまでは、内燃機関搭載車の販売禁止を猶予してほしい。BEVが購入できないユーザー層が顕在化しそうな懸念がある」と明らかにしている。
参考までに前出の欧州4カ国の一人当たり名目GDP(IMF)は、ノルウェー8万9042ドル(世界4位)、スウェーデン6万816ドル(同11位)、アイスランド6万9422ドル(同6位)オランダ5万7997ドル(同12位)。
なお、米国は6万9227ドル(同7位)、日本3万9301ドル(同27位)である。