欧州新車セールスが、2カ月連続のプラスになった。前年4月が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、大幅に落ち込んだ反動増となる。2カ月連続のプラスは、本格的な回復の足掛かりといえるのか。
ACEA(欧州自動車工業会)がまとめた4月の欧州全域(EU+EFTA+UK全30カ国)の新車(乗用車)販売台数は103万9810台。前年同月比は255.9%増と大きく伸び、2カ月連続で前年実績を上回った。
5大主要国は、すべて前年実績超え。ドイツは22万9650台を売り上げ、前年同月比は90%増。イタリアは14万5033台を販売し、4295台に止まった前年同月比は驚異の3276.8%増。フランスは、同568.8%増の14万426台。英国は14万1583台で、同3176.6%増。スペインは同1787.9%増の7万8595台だった。
主要8社の販売実績を見てみよう。31カ月連続で首位を維持したのは、VWグループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)。販売台数は28万262台。前年同月比は228.4%増。2位はPSAグループとFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルス)の対等合併で誕生したステランティス。同358.2%増の22万6000台を販売した。ブランド別で見ると、プジョーが6万2487台を販売。これは前年同月比333.8%増になる。
3位はルノー・グループ(ダチアを含む)8万3916台を販売し、同191.7%増だった。
4位は韓国のヒュンダイ・グループで、7万8495台をセールスし、前年同月比は317.3%増。5位はBMWグループ(MINIを含む)で7万8496台を販売、同317.3%増。6位はダイムラー(メルセデス・ベンツとスマート)。6万5138台のセールスで、同289.8%増。
7位は、トヨタ・グループ(レクサスを含む)。販売台数は6万4818台、前年同月比294.8%増。8位はフォード。5万676台を販売し、同237%増だった。
トヨタ以外の日本メーカーは、日産が1万9598台、前年同月比351.8%増。マツダは同343.1%増の1万3855台。三菱は同52.2%増の6228台。ホンダは5532台、同418.5%増を記録した。
ACEAは5月24日、2020年の燃料別新車販売比率を発表した。最多はガソリンの47.5%、かつて過半数を占めていたディーゼルは28.0%にまで縮小。代わって、電動車(BEV5.4%、PHV5.1%、HEV11.9%)が20%を超えるまでに伸びている。ディーゼルと電動車の逆転の日が近づいている。