ブリヂストンと米国Fisker社がサステナブルなモビリティ社会の実現に向けて「ENLITEN」搭載の電動SUV向けタイヤを共同開発

 ブリヂストンの欧州グループ会社ブリヂストンヨーロッパエヌヴィーエスエー(BSEMIA)は、米国フィスカー社と、電動SUV「フィスカー オーシャン」向けのタイヤを開発・納入するパートナー契約を締結したと発表した。

▲環境性能と運動性能を両立するタイヤ技術「ENLITEN」を搭載した電動SUV向けタイヤを開発
▲環境性能と運動性能を両立するタイヤ技術「ENLITEN」を搭載した電動SUV向けタイヤを開発

 アメリカのフィスカー社はサステナブル性に重点を置き、No.1のe-モビリティプロバイダーを目指す米国の自動車企業だ。

欧州で2023年に発売される予定※2の「Fisker Ocean」は、リサイクル材料や植物由来のインテリアなどサステナブルな素材が使われていることが特徴の電動SUVだ。「Fisker Ocean」には、環境性能と運動性能を両立するブリヂストンの革新的なタイヤ技術「ENLITEN(エンライトン)」を搭載した特別仕様タイヤ「POTENZA SPORT」が新車装着される。

※2:一部モデルは北米でも発売予定。北米で販売されるモデルにはオールシーズンタイヤ「ALENZA SPORTが装着される予定。

▲タイヤ重量を大幅に軽量化する技術「エンライトン」は、日産の新型SUV「ローグ」やVWの新型「ゴルフ8」に装着されるブリヂストンタイヤにも採用されている
▲タイヤ重量を大幅に軽量化する技術「エンライトン」は、日産の新型SUV「ローグ」やVWの新型「ゴルフ8」に装着されるブリヂストンタイヤにも採用されている

 「ENLITEN」とは、車両のハンドリングなどの運動性能、タイヤライフに繋がる摩耗性能を維持しながら、タイヤ重量を軽量化する事で、タイヤの転がり抵抗を大幅に低減できるブリヂストンのタイヤ技術だ。3次元形状革新サイプによるパターンブロック挙動最適化及び、最新シミュレーション技術を活用した接地形状最適化により、運動性能、タイヤライフを維持しながら、タイヤに使用する部材を削減する事で、従来の乗用車用タイヤに比べて、約20%の軽量化、転がり抵抗を約30%低減することを可能にする(タイヤサイズ225/40R18のブリヂストングループ従来品との比較)。これにより、EVの航続距離の最大化にも貢献する。

 「Fisker Ocean」に装着される「POTENZA SPORT」の開発は、ブリヂストングループ独自のタイヤ開発シミュレーション技術を用いて開発を効率化すると共に、モノづくり領域でも技術イノベーションによりCO2削減、資源生産性の向上に大きく貢献する形で行われた。さらに、ブリヂストングループは「POTENZA SPORT」の開発拠点イタリアや生産拠点ポーランドを含む欧州の全事業拠点で使用電力の100%再生可能エネルギー化を達成するなど、バリューチェーン全体で「サステナビリティビジネス構想」の実現に取り組んでいる。

その他、加速するEV化へ向けた取り組みとして、欧州ではタイヤを販売する小売店舗でのEV向けサービスの提供、EV向けに特化したモビリティソリューションの開発・提供などを推進している。

▲電動SUV「Fisker Ocean」のバッテリー蓄電容量は、標準仕様でおよそ80kWh。生産はマグナ社が請け負い2022年11月から生産の予定
▲電動SUV「Fisker Ocean」のバッテリー蓄電容量は、標準仕様でおよそ80kWh。生産はマグナ社が請け負い2022年11月から生産の予定

 ブリヂストングループは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」をビジョンとして掲げており、現在中期事業計画(2021-2023)を推進している。その中核として、バリューチェーン全体で資源循環やカーボンニュートラル化などへの取り組みとビジネスモデルを連動させる「サステナビリティビジネス構想」の実現へ向けた取り組みを加速している。

 今回のパートナー契約は、世界一サステナブルな自動車の提供を通じて次世代のモビリティへの貢献を目指すFisker社と、「サステナビリティビジネス構想」に基づきバリューチェーン全体でサステナブルな社会の実現に取り組むブリヂストングループが、未来のモビリティ社会における新たな社会価値・顧客価値の共創を目指して締結したものだ。

■ローラン・ダルトー氏(ブリヂストン 常務役員 BSEMIA CEO兼プレジデント)コメント
 ブリヂストンでは、EVを2050年までにカーボンニュートラルを達成するため、そして、さらに環境に優しくサステナブルなモビリティを実現するための鍵だと考えています。しかしながら、モビリティの完全な電動化に向けてはまだまだ多くの課題があり、Fisker社とブリヂストンはこれらの課題解決のために共創しています。単にEVをより利用しやすいものにするためだけでなく、Fisker社は強いサステナビリティへの課題意識から生まれました。Fisker社とブリヂストンが、同じ想いを持ち、新たな社会価値・顧客価値を共に共創していくことを大変光栄に思います。

■ヘンリック・フィスカー氏(Fisker社 Chairman and CEO)コメント
 タイヤとサステナブルモビリティ分野のグローバルリーダーであるブリヂストンと共に仕事をすることに大変興奮しています。そして、我々と同じ価値観を持つブリヂストンのプレミアムタイヤは『Fisker Ocean』に欠かせないものです。我々はクラス最高レベルの乗り心地、運動性能、そして航続距離を備える最もサステナブルなSUVを創りたいという想いがあり、それを実現するためにブリヂストンは重要な役割を担ってくれるはずです。ブリヂストンと共に、タイヤの技術開発、性能向上に向けてより密接な関係を築き、共創していくことをとても楽しみにしています。

SNSでフォローする