Hondaドライブデータサービス「旅行時間表示サービス」を提供開始

 Hondaは、走行データなどを活用したデータサービス事業「Hondaドライブデータサービス」の新サービスとして、Honda車のリアルタイム走行データを活用し、渋滞路・迂回路通過の所要時間を計算して、道路上に表示する「旅行時間表示サービス」の有償提供を2021年8月より開始した。

▲旅行時間表示サービスの表示機
▲旅行時間表示サービスの表示機

 このサービスは、渋滞路・迂回路通過の所要時間を表示することで、ドライバーに迂回を促し、交通量を分散して渋滞を低減することが目的だ。車両の走行データを活用し、道路上に所要時間を表示するサービスの提供は、日本の自動車メーカーとして初めて※1となる。

※1Honda調べ(2021年8月19日時点)

 2017年12月に活動を開始したHondaドライブデータサービスは、約370万台※2のHonda車から集まる走行データ・車両の挙動データなど※3を活用した、渋滞対策、都市計画、防災、交通事故防止などの社会課題解決を目指すデータサービス事業だ。これまでさまざまな企業や自治体の要望を受け、個別にソリューションを提供してきた。

今回、提供を開始した旅行時間表示サービスは、全国各地で発生する「渋滞」という社会課題の解決を目指して開発したもので、パッケージ型サービスとすることで、より多くの企業や自治体が導入しやすくした。

※2インターナビ・プレミアムクラブ会員、Honda Total Care会員、Honda Total Careプレミアム会員が保有する車両のうち、データを取得できる台数(2021年7月末時点)。

※3「インターナビ・プレミアムクラブサービス利用規約」および「Honda Total Care会員規約」に準拠して、個人情報を含まないデータを収集・活用しています。なお、車両購入時の登録情報と、車両から送信されるデータは紐づけできないように別管理されています。さらに、データは加工および統計処理して、出発地や目的地が特定できない匿名加工情報として扱っています。

▲旅行時間表示サービスのシステム概要図
▲旅行時間表示サービスのシステム概要図

 旅行時間表示サービスでは、Honda車からリアルタイムに集まる走行データを活用し、渋滞路・迂回路の通過にかかる時間を計算する。そして、算出された渋滞路・迂回路それぞれの所要時間を、ルート分岐地点の手前に設置した表示機に表示し、ドライバーに知らせることで、迂回路の選択を促す。これにより交通量が複数のルートに分散され、渋滞を低減する効果が期待できる。特に効果が期待できるのが、目的地まで複数ルートが存在し、そのルートの一方が渋滞、一方は空いているなど交通量に偏りがある場合だ。

▲日光市の実証実験での渋滞路と迂回路、所要時間表示機設置場所
▲日光市の実証実験での渋滞路と迂回路、所要時間表示機設置場所

■旅行時間表示サービスの渋滞低減効果例(栃木県日光市での実証実験結果)
 毎年、紅葉シーズンになると激しい渋滞が発生する栃木県日光市で、国道119号線の渋滞緩和を目的として、旅行時間表示サービスを用いた実証実験を行った。

 実証実験の結果、激しい渋滞が発生する春日町交差点から日光山内入り口までの最長所要時間が、2019年の171分に対し、2020年の対策実施時には同等の交通量ながら85分と半減した。さらに、渋滞ルートの所要時間表示が長くなるほど迂回が促されて渋滞が低減し、シーズン中の最大渋滞長は2019年の約3.7kmに対し、2020年の対策実施時には約2.3kmまで短縮された。また、渋滞が解消する時刻も、平均で2時間以上早まった。

▲春日町交差点から日光山内入り口までの交通状況 2019年と2020年の比較
▲春日町交差点から日光山内入り口までの交通状況 2019年と2020年の比較

 なお、旅行時間表示サービスは、すでにいくつかの企業・自治体から導入の要望がHondaにあり、2021年秋の活用開始に向けて準備を進めているという。今後もHondaドライブデータサービスはデータを活用して、渋滞対策、都市計画、防災、交通事故防止などのさまざまな社会課題解決に貢献していくとしている。

■Hondaドライブデータサービス公式ウェブサイト
https://www.honda.co.jp/HDDS/

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