クルマのサブスクって「本当に便利なの? お得なの?」。ユーザーの意識調査発表

最近よく聞く「クルマのサブスク」。ユーザーが気にするポイントは何か?

bZ4Xの販売はKINTOを通じたサブスクでの利用に限定されている

 最近、値上げのニュースに接する機会が増えた。食料品をはじめ、電気代、ガソリン代など、日常生活を直撃する値上がりばかりだから気になる。

 トヨタ/レクサスのサブスクサービスを展開するKINTOが2022年11月に行ったアンケート(対象は20〜60代の男女400人)によると、「2人に1人の消費者行動が変化している」実態が浮かび上がってきた。

 20代から50代の年代において「近年の物価高騰を受けて消費行動が変化した、どちらかといえば変化した」という回答が、過半数を占めた。60代は48.0%にとどまったが、半数は「変化した、どちらかといえば変化した」と判断していい。

 では、値上げを受けて、具体的にはどのように行動が変化したのか。あるいは意識が変わったのか。クルマの消費行動・意識にあてはまる回答を選んでもらうと、63.5%が「これまでよりはお金をかけたくない、節約したい」を選んでいる。

 「値上げに関係なく、これまで以上にお金をかけたい、買いたい」という、クルマに関連したビジネスパーソンからは絶賛の拍手を受けそうな回答者は6.4%にとどまった。

 クルマを所有していないという200名を対象に、KINTOがてがけるサブスクサービスの利用意向について確認すると、51.0%が「利用の意向あり」と回答している。半数がサブスク利用に前向きだ。クルマを所有している回答者も含めた全体の数字で見ると、「利用の意向あり」は42.6%。ということは、すでにクルマを所有している回答者のうち、34%がサブスクの利用を検討している計算になる。

 クルマのサブスクサービスをひと言でいえば、「新車購入に関係する税金や保険、諸費用、契約期間中の点検サービス費用なども含めた金額を、毎月定額で支払う」という内容。契約期間や契約対象車などはそれぞれのメーカーが用意するサブスクサービスによって異なるが、ガソリン代などを除く「パッケージ化されたクルマの利用料」を分割で支払うシステムといえる。

 そのメリットは、毎月の支払い金額が一定になること。自動車税や更新時期に発生する保険料などの支出は考慮しなくていい。消耗品を含むメンテナンス代や任意保険まで利用料金に含まれているケースもある。

 ユーザーの関心が高まりつつあるサブスクリプションサービスは、トヨタ以外も提供している。

日産:NISSAN ClickMobi(オンライン販売)、おまとめプラン(店舗販売)
ホンダ:楽まる(楽らくまるごとプラン)、Honda ON(ネット販売、東京、宮城、山形、神奈川、埼玉、千葉で実施)
SUBARU:サブスクプラン(スバスク)(2023年2月1日時点では受け付けを中止している)
三菱:ウルトラマイカープラン
スズキ:スズキ7(セブン)

 自動車メーカー以外を見ると、リース会社やENEOS(エネオス)などもサブスクサービスを実施している。

 1月下旬には、「パナソニックのブルーレイディスク生産中止」がニュースになっていた。映像コンテンツを自分で保存する時代が変化したことを象徴する出来事といえる。クルマも「所有」する時代から「利用」する時代に移行するのだろうか。それとも、所有と利用のユーザーのライフスタイルごとに分化していくのだろうか。2030年に向かうにつれて、カーライフのあり方が大きく変化するのかもしれない。

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