パナソニックがオールニューのチャレンジングなフルモデルチェンジ・ナビを発表した。ストラーダFシリーズのトップモデル、CN-F1X10BHDは新プラットフォームの採用で、高速レスポンスと圧倒的な高画質を達成した。発売は12月上旬の予定である。
ニューモデルは、地図表示を見ただけで高性能ぶりがわかる。独自の10V型有機ELディスプレイは、黒がビシッと締まり、色彩が豊か。これに映し出される新しいHD美次元マップは、従来の地図よりも解像度が2.4倍向上。平面(2D)地図も美しいが、3D地図がリアル。3D表示が嫌いで、ふだんは2D地図を使っているユーザーでも、このナビなら3D状態で使いたくなるだろう。実は筆者自身がそうだった。
地図操作のスピードにも驚いた。人差し指と中指の2本で地図を上下になぞれば3D地図の視点角度が調整でき、その動きはスムーズ。地図のスクロールはスマートフォンの地図アプリを操作しているような快適さだ。
ルート探索のスピードも大幅に高速化した。メーカーは「ルート探索にかかる時間は従来比で半分以下に短縮した」と説明する。実際に操作してみると、本当に速い。「5ルート探索は、従来機の1ルート探索とほぼ同等の時間で済む」という。
走行中のルートのわかりやすさも向上した。拡大図内の進行方向が鮮やかな赤で示されるため、まったく迷わずに自信を持って運転できる。拡大図の前に表示された方面看板も進行方向が赤に変わった。有機ELディスプレイならではの鮮やかな表示との相乗効果で、進路のわかりやすさが格段に向上した。
もうひとつ驚いたのは、光ビーコンを活用した「信号情報活用運転支援システム」の情報量の増加だ。横浜みなとみらい地区を走っていたときに信号待ちしていると「まもなく信号が変わります」と音声ガイドがあった。このアナウンスは初めて聞いた。
画面をよく見ると、地図の左上に小さく、信号が変わるタイミングをカウントダウンしている。5秒前になるとカウントダウンが消えて「まもなく〜」のアナウンスが流れるとわかった。
実はこの機能、昨年モデルも搭載されていた。毎年ほぼ同じルートで取材しているが、昨年は気づかなかった。情報の発信拠点が大幅に増えているのだろう。これはドライバーにとって役立つ情報であり、もっと情報拠点を増やしていってほしい。
昨年モデルに引き続き、全国どこでも詳細な市街地図が表示できる。地方に出かけたときに「地図が寂しくなる」心配はない。HD美次元マップは昨年モデルよりも美しく道路形状や家形を表示する点も見逃せない。
Wi-Fiを内蔵したので、アプリを立ち上げなくても声で目的地を検索できるボイスサーチが可能になるなど、使いやすさも大きく向上した。Wi-Fiはスマートフォンのテザリングを利用する。
HDMI端子を利用すれば、AmazonのFire TV Stickが使える。もちろんブルーレイディスクも再生可能。有機ELディスプレイは感動の美しさだ。
CN-F1X10BHDを店頭で見つけたら、「即座に購入すること」をお勧めしたい充実モデルである。
ディスプレイ:10V型ワイド有機ELタイプ
画面サイズ:全幅×全高×対角223×126×256mm
収録地図データ:2021年8月版
メモリー容量:32GB(内蔵メモリー)
ナビ機能:全国1741都市の市街地図収録(ゼンリン住宅地図の収録エリアをカバー)/方面看板表示約1万2500交差点・約3万1700背景画像/電話番号検索約590万件/住所検索約3940万件/周辺ジャンル・周辺施設検索約1540ジャンル・約310万件/あいまい検索約540万件/リアル3D交差点拡大図約6040画像(約1870交差点)/ハイウェイ入り口拡大図385カ所(898画像)/ジャンクションビュー対応/カラーレーン対応/準天頂衛星「みちびき」に24時間対応/逆走検知警告/逆走注意アラーム/安全安心運転サポート機能/リアル3D交差点拡大図/ハイウェイ入り口拡大図/休憩メッセ〜ジ案内/2画面表示(左右画面の地図縮尺は任意に設定可能)
渋滞回避:交通情報システム「VICS WIDE」を活用/ETC2.0車載器(CY-ET2505VD)との連携で詳細な交通情報や信号情報活用運転支援システムに対応
AV機能:ブルーレイディスク・DVD・CD再生/地デジテレビ/MP3/WMA/USB音楽再生・ハイレゾ再生・動画再生/HDMI入出力端子/音の匠
無料地図更新:搭載地図データは2021年8月版。地図更新は3年間で1回可能/部分更新は2024年12月15日まで1年間に最大6回可能(道路地図、音声案内、案内画像、地点検索データ) 旧型機と地図データの互換性はありません