2022年ピレリ・カレンダーが完成、写真はブライアン・アダムスが担当

▲ギターとともにライブツアーを続けるミュージシャンをイメージさせる
▲ギターとともにライブツアーを続けるミュージシャンをイメージさせる
▲ヘッドランプに映し出されている人物がブライアン・アダムス
▲ヘッドランプに映し出されている人物がブライアン・アダムス

 年末のビッグニュース。ピレリ・カレンダー(非売品)が復活した。新作のタイトルは『ON THE ROAD』である。

 高性能タイヤのラインアップでお馴染みのピレリは、例年オリジナルのアートカレンダーを作成してきたが、2021年版は新型コロナウイルスの影響で制作を中止していた。

▲カバーはセイント・ヴィンセント ギターのピックにPIRELLIのロゴが入っている
▲カバーはセイント・ヴィンセント ギターのピックにPIRELLIのロゴが入っている

 多くの企業がカレンダーを作成し、ユーザーなどに配布している。ピレリ・カレンダーの復活が、どうして大きな話題なのか。ポイントは2つ。

▲バックカバーはイギー・ポップ
▲バックカバーはイギー・ポップ

 ひとつは、ピレリ・カレンダーが、芸術性の高い作品として評価されている点である。1964年に制作がスタートし、そのときの写真家がロバート・フリーマン。ザ・ビートルズの撮影で知られる人物だ。ビートルズのアルバム『ウィズ・ザ・ビートルズ』(1963年)のジャケット写真は、フリーマンが撮影。メンバー4人の左半分の顔だけに光を当てた作品(通称ハーフシャドー)として有名。
 
 65年の作品はブライアン・ダフィー(1960〜70年代に活躍、73年版も撮影)、96年/02年/17年のピーター・リンドバーグ、19年のアルバート・ワトソン、20年のパオロ・ロヴェルシなど、写真界で唯一無二の存在感を放つ巨匠の名前が並ぶ。

▲ボーハン・フェニックス
▲ボーハン・フェニックス

 もうひとつは、22年版の写真家がブライアン・アダムスだということ。そう、ロックミュージシャンとして知られるブライアン・アダムスである。1980年にデビューアルバムを発売、83年に発売した3rd『カッツ・ライク・ア・ナイフ』が大ヒットした。93年には映画『三銃士』のテーマをスティング、ロッド・スチュワートとともに作成し、全米ナンバーワンヒットになっている。

 ブライアン・アダムスは写真家としての顔も持ち、01年に最初の作品集を発売、07年にはドイツの雑誌『シュテルン』が彼の作品をまとめた写真集を発行した。

▲カリ・ウチス
▲カリ・ウチス

『ON THE ROAD』は、「旅の途中」といった意味。カナダ出身のブライアンにとって、ライブツアーが始まれば、世界をくまなく旅する日々が続く。

 カレンダーは、「ツアー中のアーティスの生活」をテーマに作成。ホテルからライブ会場へ、楽屋からステージなど、ミュージシャンのツアー生活を表現した。

▲リタ・オラ
▲リタ・オラ

 カレンダーには参加したアーティストは10名。名前を列挙するとシェール、グライムス、ジェニファー・ハドソン、ノーマニ、リタ・オラ、ボーハン・フェニックス、イギー・ポップ、スウィーティー、セイント・ヴィンセント、カリ・ウチスである。

 撮影の舞台は米国のロサンゼルとハリウッド、そしてイタリアのカプリ島。合計3日間で撮影は終了した。

▲スウィーティー ミュージシャンたちは世界中のライブ会場でコンサートを行いホテル暮らしが続く
▲スウィーティー ミュージシャンたちは世界中のライブ会場でコンサートを行いホテル暮らしが続く

「数日間でツアー中のすべてを収めることはとても難しかったので、いくつかの局面を捉えるようにしました。ステージドアからクルマのドア、ホテルのドア、列車のドア、バスのドアなど、たくさんのドアを通ります。つまりそれは、つねに旅をしているということなのです」とブライアン・アダムスは作品について語っている。

▲ピレリは2022年に創業150周年を迎える 
▲ピレリは2022年に創業150周年を迎える 

 ピレリの発表によれば「160ページを超えるカレンダーには、70枚を超えるポートレートや風景が収められている」という。LPジャケット風のデザインになっているという情報もあるが、具体的な構成・デザイン、サイズなどに関しては明らかにされていない。

▲シェール
▲シェール

「2022年版ピレリカレンダーは、われわれにとってとくに重要なものです、なぜなら2022年はピレリが創立150周年を記念する年だからです」とピレリのエグゼクティブバイスチェアマン&CEOを務めるマルコ・トロンケッティ・プロヴェーラ氏はコメントしている。

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