江崎グリコは2023年3月30日、「2代目グリコワゴンが始動した」ことを発表した。
グリコワゴンは2010年に初代が誕生し、約2カ月をかけて日本全国を縦断。「日本中に、おいしさと健康、ワクワクと笑顔をお届けしたい」という願いをグリコ商品の提供を通じて実践してきた。走行距離は10万kmを超え、各地の学校訪問を重ねている。
まだまだ現役で活躍している初代グリコワゴンに2代目が加わった。当面は2台体制で活動すると、メーカーは説明している。子供たちがグリコワゴンに出会う可能性が広がったわけだ。
2代目グリコワゴンは、ホンダ・ステップWGNがベース。ホンダ車がグリコワゴンに選ばれた経緯の中で、佐藤琢磨選手のインディ500優勝に関連したエピソードが明らかにされた。2014年から琢磨選手を支援しているグリコは、優勝記念ムービーを作成。これがホンダの目に止まり「ホンダでも使いたい」という申し出が、両社の具体的な接点になったのだった。
ホンダは「ザ・パワー・オブ・ティーン」というテーマで10代の若者たち夢を応援している。子供たちの夢を大切にし、健やかな成長を願うという点でグリコとホンダは共鳴し合う関係にあるといえる。
また、グリコの創業者(江崎利一)は「ココロとカラダの健康に寄与したい」という思いを製品に反映し、社是を「食品による国民の体位向上」としている。ホンダの創業者(本田宗一郎)は、「技術は人のために」という社会貢献の気持ちを基本に「お客様が喜ぶ製品作り」を目指した。社会貢献を大切にする企業風土は相通じている
2代目グリコワゴンは、ステップWGN(e:HEV仕様)で、15歳以下の子供たちの公募デザイン画189点を踏まえて最終的なデザインを決定。デザインにじっくりと時間をかけるホンダ、短時間でまとめるグリコと、扱う商品の特性上、手法に違いはあったが、最終的には子供たちから多く寄せられた「虹、ハート、雲」などと、グリコ製品を盛り込んだ2代目が完成した。
ルーフに載ったアーモンドやポッキー、ビスコなどの制作にはコンセプトカーやクレイモデルの開発で知られるSIVAX(シバックス)が担当している。参考までにポッキーは実際の16倍、ジャイアントコーンは8倍、アーモンドは20倍、キャラメルは24倍程度のスケールになっている。ホイールはプリンのイメージだ。
グリコワゴンはバックドアを開けると、優しい表情のモニターが子供たちを出迎え、お菓子を配ってくれる。モニターの表情は変化し、子供たちとコミュニケーションを取ってくれる。ホンダが開催する「第20回子どもアイディアコンテスト」(2022年)においては、マスク生活の苦しい思いがにじむ「気持ちを伝え合いたい」というアイデアが複数提案されていた。2代目グリコワゴンのモニターは、子供達が潜在的に抱える願いにうまく対応したものだ。
2代目グリコワゴンは、グリコピア(グリコの工場見学施設)で展示を予定している。
4月12日(水)〜4月27日:グリコピア神戸(兵庫県)
4月29日(土)〜5月31日:グリコピア・イースト(埼玉県)
この期間は、初代グリコワゴンの展示が行われている。