2021年の米国新車セールスは、トヨタがGMを上回り、初のナンバーワンに立った。GMは1931年にフォードを抜いて以来、90年間首位の座を守ってきた。それだけにトヨタの偉業は大きい。
トヨタの21年の販売台数は233万2262台。前年比は10.4%増と、6年ぶりに前年実績を上回った。SUVなどのライトトラック系が好調で、中型SUVのハイランダーが前年比24.4%増の26万4128台と3年ぶりに増加。中型ピックアップトラックのタコマは、同5.7%増の25万2520台と、2年ぶりに前年実績を上回った。乗用車系では、カローラが同5%増の24万8993台と2年ぶりに前年実績をクリアした。
一方、GMは、221万8228台にとどまり、前年比は12.9%減。トヨタに約11万4000台の差をつけられ、2位に後退した。主力のフルサイズピックアップトラックのシボレー・シルバラードが、前年比10.8%減の52万9765台にとどまり、主力SUVのシボレー・エクイノックスも同39%減の16万5323台と、急減速。GMの新車セールスが落ち込んだのは、半導体不足の影響。21年の後半、半導体の供給が滞り、ユーザーが購入できる新車の在庫が減少したのが響いた。
順位=社名:2021年・2020年(増減%)
1=トヨタ(レクサスを含む):2,332,262/2,112,941(+10.4)
2=GM:2,218,228/2,547,339(-12.9)
3=フォード:1,905,995/2,044,744(-6.8)
4=FCA:1,777,394/1,820,636(-2.4)
5=ホンダ:1,466,630/1,346,788(+8.9)
6=ヒュンダイ・キア:1,439,497/1,208,374(+19.1)
7=日産:977,639/899,217(+8.7)
8=SUBARU:583,810/611,942(-4.6)
9=VW:375,030/325,784(+15.1)
10=BMW:336,644/278,732(+20.8)
11=マツダ:332,756/279,252(+19.2)
12=メルセデス・ベンツ:329,574/325,915(+1.1)
トヨタ以外の日本メーカーは、5位のホンダが146万6630台をセールス。前年比は8.9%増と、2年ぶりに前年実績を上回った。シビックが前年比1%増の26万3787台、アコードが同1.6%増の20万2676台と主力2モデルが回復。SUVでは、CR-Vよりも上級モデルのパイロットが同15.5%増の14万3062台と3年ぶりに増加。HR-V(日本名:ヴェゼル)は、モデル末期の旧型が同63.1%増の13万7090台と健闘した。
7位の日産は97万7639台を販売し、前年比は8.7%増と4年ぶりに前年実績を上回った。セダン系では、セントラが12万7861台を売り上げ、前年比は35.1%増と4年ぶりの前年超え。ヴァーサは6万913台を販売し、前年比は26.2%増と増加に転じた。ライトトラック系では、小型SUVのローグ(日本名:エクストレイル)が、28万5602台をセールスし、6年連続で日産ブランド最量販車に。前年比は25.3%増と3年ぶりに前年実績をクリアした。コンパクトSUVのキックスは8万2960台を販売し、前年比は40.9%増と伸びた。
22年の米国新車販売については、半導体不足が正常化するとの見方もある。供給体制が回復した場合、そろって販売台数を落とした米国勢が勢いを取り戻すのか注目だ。