トヨタ・ライズがSUV販売トップに。ランクル300の国内納車が遅れる事情（2022年2月）

　2022年2月のSUV販売は、トヨタのライズとカローラクロスが1〜2フィニッシュ。3位にダイハツ・タフトが入り、トヨタのトップ3独占を阻止した。

　現在、トヨタ・ランドクルーザーの人気が高騰している状況はご存じのとおり。メーカーはホームページで「今からご注文いただく際の納期は4年程度となる場合がございます」と案内している。

　トヨタのデータによれば、ランドクルーザー300系の販売比率は、ランドクルーザー・シリーズの約11％。1月は約300台、2月は約250台以上を販売した（ガソリン対ディーゼル比率は2対1）。メーカーは当初、「月販700台」を目標に掲げていたが、現在は部品不足の影響もあって具体的な数字は白紙になっている。なお、ランドクルーザー・プラドの納期は「ご注文をいただいてから、6カ月以上」である。

　トヨタは3月17日、「4〜6月の生産計画について（3月17日時点）」というリリースを出した。ここで「足元の生産計画を、現実に即した無理のない計画に見直し、特に4〜6月を『意志ある踊り場』」とする方針を明らかにした。

　生産能力の限界まで頑張るのではなく、「安全・品質を最優先に健全な職場環境を整備していただけるよう」に舵を切ったのである。今後は、減産リスクなども織り込んだ生産計画を「毎月、３カ月単位で見直し」ていくという。

　このリリースの中で「４月の稼働停止工場」が発表されたが、ランドクルーザーの生産工場は含まれていなかった。納車を待っているユーザーにはうれしい情報だ。

　ところで、ランドクルーザーが累計販売1000万台を突破した際に発表された「2018年の販売・生産データ」を見ると、ランドクルーザーの世界販売台数は37万9000台だった。このうち国内販売は7.9％、ランクル最大のマーケットは中東で34.8％、EUが14.2％、オセアニアが12.1％、アジアが11.8％、北米が9.5％。

　世界170カ国で販売されているランクルは、圧倒的に海外マーケットの比率が高い。内外の需要に同時に万全の対応するのは難しい。4 月の稼働停止工場にランドクルーザーの生産工場は含まれていないものの、生産調整や部品不足の現状を考えると、納車に時間がかかるのはやむを得ないといえる。

■2022年2月　SUV販売ランキング　1〜20位（軽自動車を含む）
順位＝車名：販売台数／前月台数
（日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の資料やメーカー発表値をもとに作成）

1＝ライズ：9,903／8,494
2＝カローラクロス：6,600／7,510
3＝タフト：5,988／4,578
4＝ヤリスクロス：5,820／10,760
5＝ハスラー：5,545／4,673
6＝ヴェゼル：3,826／4,294
7＝ジムニー：3,725／3,656
8＝ＣＸ-５：3,596／2,235
9＝ＲＡＶ４：3,071／1,817
10＝ＣＸ-８：2,889／848
11＝キックス（タイ生産車）：2,855／2,896
12＝ハリアー：2,351／3,050
13＝ランドクルーザー（プラドを含む）：2,347／2,462
14＝ＣＸ-30：2,131／1,725
15＝ロッキー：2,025／1,971
16＝ジムニー・シエラ：1,663／1,012
17＝フォレスター：1,552／1,691
18＝アウトランダー：1,350／2,085
19＝レガシィアウトバック：1,103／1,466
20＝エクストレイル：927／797

■2022年2月　SUV販売ランキング　21〜36位（軽自動車を含む）
順位＝車名：販売台数／前月台数
（日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会の資料やメーカー発表値をもとに作成）

21＝Ｃ-ＨＲ：811／1,072
22＝ＣＸ–３：772／925
23＝ＳＵＢＡＲＵ ＸＶ：748／823
24＝エクリプスクロス：719／814
25＝レクサスＮＸ：695／2,183
26＝ＣＲ-Ｖ：682／827
27＝レクサスＲＸ：658／659
28＝クロスビー：470／950
29＝フレア・クロスオーバー：463／434
30＝レクサスＵＸ：401／459
31＝ＭＸ-30：268／170
32＝イグニス：216／179
33＝ＲＶＲ：128／93
34＝レクサスＬＸ：60／150
35＝アリア：27／0
36＝エスクード（ハンガリー生産車）：5／6
合計＝76,390／77,764