現行車は受注終了。5月発表というウワサの気になる新型クラウン、そのスタイリングを推理する

▲2018年にデビューした15thモデル 写真はロイヤルサルーン・アドバンス
▲2018年にデビューした15thモデル 写真はロイヤルサルーン・アドバンス

 トヨタ・クラウンが、5月にフルモデルチェンジするようだ。3月中には受注が終わり、4月以降は新型クラウン(16‌thモデル)へのユーザー対応がスタートする。

 新型クラウンは「純粋なセダンではなくなります。社内の呼び方としては、クラウン・プラスとなっていて、SUVテイストを持ったモデルとしてデビューするようです」と語るのは、あるディーラーの営業担当者。

 クラウンにSUV化のウワサはあったが、その情報は本当だったのである。トヨタはヤリスクロスやカローラクロスなど、「クロス」シリーズが人気。クラウンもそうなるのか?

▲写真は2018年にデビューした15thモデル/ロイヤルサルーン・アドバンスの内装
▲写真は2018年にデビューした15thモデル/ロイヤルサルーン・アドバンスの内装

「3月半ばの時点では詳細なデータが受け取れていないので……ただ、クラウンクロスと呼ぶほど、SUVの雰囲気が強くはないようです」と、別のディーラーの営業担当者は語っていた。このディーラーでは3月上旬時点で、すでに受注を締め切っている。

 新型クラウンがSUVとしてデビューするのではないか、というウワサは根強くあった。背景には昨年8月、中国でデビューしたクラウン・クルーガー(一汽トヨタ)の存在がある。

 全長×全幅×全高5015×1930×1750mmという堂々としたボディに2.5リッターのハイブリッドシステムを搭載。プレミアムSUVの風格を漂わせるモデルだ。なお、ベースモデルは広汽トヨタのハイランダー。

▲中国で昨年8月に発表された「クラウン・クルーガー」(一汽トヨタ) 堂々としたSUVスタイリングで注目を集める
▲中国で昨年8月に発表された「クラウン・クルーガー」(一汽トヨタ) 堂々としたSUVスタイリングで注目を集める

 クラウン・クルーガーは、中国でクラウン・ブランドの変革を担う重要なモデル。中国仕様のクラウンは2005年から生産がスタートし、2012年以降は中国専用デザインになった。だが、レクサス・ブランドの存在やSUV人気の高まりの中で、クラウンの魅力が薄れつつあった。

 こうした背景の中でデビューする新型は、SUVに舵を切ったのである。

 日本でも、1990年代ごろまでは、クラウンのブランド力は圧倒的だった。ところが、現在のクラウンは、(かつての栄耀栄華をベースに考えれば)販売面でも苦戦している。2021年の年間販売台数は2万1411台。2013年3月を最後に、月販1万台超えはない。

▲2013年デビューの14thモデル 写真はアスリートG(ハイブリッド仕様)
▲2013年デビューの14thモデル 写真はアスリートG(ハイブリッド仕様)

 このような現状を打破するために、新型クラウンはSUVテイストを持ったクルマに生まれ変わる。

 また、クラウンの販売は現在80%以上がハイブリッドだ。新型はハイブリッド専用モデルになって、新たなユーザー層を開拓していくのだろうか。うーん、気になる。

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