JETRO(ジェトロ、日本貿易振興機構)は7月、今年上半期の中国新車市場の販売・生産実績をレポートした。
JETROは中国自動車工業会(CAAM)の発表データとして、上半期の累計販売台数は1323万9000台(前年同期比9.8%増)、生産台数は1324万8000代(同9.3%増)とレポート。販売台数のうち1126万8000台、85.1%が乗用車だった。
新エネルギー車(NEV)の販売台数は374万7000台(同44.1%増)で、新車販売に占めるNEVの比率は28.3%だった。
中国は今年6月、NEVに対する優遇措置の延長を決定した。中国はNEV車に対する「車両取得税の減免政策」を2014年から実施してきた。車両取得時にかかる10%の取得税を免税にして、クリーンエネルギー車の普及をサポートしている。この減免措置は2023年末までとなっていたが、2025年12月31日まで購入した場合は1台当たり3万元(約60万円)を上限に、車両取得税が免除される。そして26年1月1日から27年12月31日まで購入した場合は、1台当たり1万5000元を上限に、車両取得税の50%が減税になる。NEVの対象は要件を満たしたBEV(電気自動車)、PHEV(プラグインハイブリッド車)、FCEV(燃料電池車)になる。
CAAMは2023年の新車販売台数を「2667万台」と想定していたが、上半期を終えた段階で「現状から判断すると、達成は困難」と見ている。
中国は世界最大の新車マーケットだが、自動車輸出の面でも大きく伸びている。上半期の輸出台数は214万台で、前年同期比75.7%増。同時期の韓国メーカーは142万1000台(同32.4%増)を輸出した。日本は202万3000台(同16.8%増)である。
日本は昨年381万3000台を輸出した。中国は311万台だった。中国には、日本には及ばなかったもののドイツ(262万3000台)を抜いて世界2位に浮上した。中国の輸出実績は21年が202万台、20年は100万台と、毎年100万台ずつ増えている。今年は輸出台数で中国が世界トップになる可能性が見えてきた。
輸出先はメキシコ、サウジアラビア、チリ、ベルギー、オーストラリア(2022年実績)らが上位になっている。