情報プラットフォーム会社マークラインズは、電気自動車の世界販売の約90%をカバーする主要14カ国を対象にグローバル市場における電気自動車の台数情報及び販売動向を分析した「2023年9月の電気自動車(BEV/PHV/FCV)販売月報(商用車を除く、推計値を含む)」を掲載した。
本レポートは、世界自動車販売台数の約80%をカバーする主要11カ国に北欧3カ国(※1)を加えた計14カ国の新車販売台数(マークラインズ集計データ、商用車を除く、推計値を含む。)を対象にグローバル市場における電気自動車(BEV/PHV/FCV)の動向を分析した。なお、中国の販売台数(出荷台数)は輸出台数を除く集計値となる。
※1:対象国は中国、米国、日本、インド、ドイツ、フランス、ブラジル、英国、韓国、カナダ、イタリア、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド
主要11カ国とノルウェー、スウェーデン、フィンランドの北欧3カ国(計14カ国)における9月の電気自動車販売台数は114.9万台となった。前年同月比は20.6%増、前月比も5.7%増となった。英国の季節要因等による自動車市場全体の販売台数の伸びに対して電気自動車の販売台数は前月から6.2万台の微増にとどまり、シェアは前月から1ポイント下降し、20.4%となった。
電気自動車の1~9月の累計は前年同期比30.9%増の820.8万台となった。1~9月の累計台数に占める電気自動車のシェアは、前年同期の15.2%から2.8ポイント増加して18.4%となった。
HV(ハイブリッド車)は増加傾向がみられ、前年同月比30.8%増の38.6万台となり、シェアは6.9%となった。1~9月の累計は前年同期比26.9%増の306.0万台となり、順調に増加を見せている。9月のHVの販売国の内訳を調べると、日本が28.8%、米国が28.3%、中国が20.5%となった。日本市場では従来より、HVの販売台数が電気自動車の販売台数に比べると圧倒的に多い。ドイツでの環境クレジットの範囲が9月から変更になったことや、欧州でe-fuel(合成燃料)エンジン車が容認され、BEV(バッテリーEV)やPHV(プラグインハイブリッド車)だけでなく、HVの販売も見直されつつあり、引き続き注視していきたい。
メーカー別(大手主要メーカー、Tesla、中国系大手電気自動車メーカー)の電気自動車販売台数推移は以下の通り。
各モデルとも順調に台数が伸びている。BYDが26.2万台で首位を維持。Teslaの販売台数の伸びが鈍化傾向にあることも加わり、差が大きく開きつつある。3位はVWグループ、4位にこちらも順調に台数を伸ばすGeelyが続いている。
9月は、台数は少ないものの、ルノー・日産グループやホンダは急激に台数が伸びる傾向がみられた。ルノー・日産に関しては、日本における日産サクラや、フランスでのダチア スプリングエレクトロニックの販売増が、ホンダに関しては、中国におけるCR-Vの販売台数増が影響していると思われる。
東風汽車とホンダの合弁会社である東風ホンダは、CR-VのHV、PHVモデル、電気SUVであるe:NS1を欧州向けに輸出しており、中国国内向けだけでなく、欧州向けの輸出台数の変化も注視していきたい。