メディア事業やリサーチ事業を行うイードが運営するカーライゼーションは、「電動キックボード」をテーマに、実際に電動キックボードを所持している人を対象にアンケート調査を実施した。
令和5年7月1日に、道路交通法の一部を改正する法律(令和4年法律第32号)のうち、特定小型原動機付自転車(いわゆる電動キックボード等)の交通方法等に関する規定が施行された。電動キックボードに関するルールが変わったことで、運転免許が不要となり、ヘルメットの着用は努力義務となるなど、条件緩和が注目されている。
今回の調査は、話題の電動キックボードについて、男性96人、女性38人の合計134人を対象に実施されたアンケートをまとめたものだ。
調査機関株式会社クラウドワークスのもと、電動キックボードを所有する人を対象に、調査期間は、2023年7月8日~2023年7月22日に実施され、インターネットにて実施された。
電動キックボードを所有する人の年齢について調査を行ったところ、46.3%が「30代」と今回のアンケートの回答者で最も多い結果となった。次いで、20.9%が「40代」で半数以上が30代と40代の回答者となった。
続いて、住宅形態について質問したところ、46.3%が「持ち家(一戸建て)」と回答し、最多となった。次いで、36.6%が「賃貸(マンション・集合住宅)」と回答が続いた。今回のアンケートでは、「賃貸(一戸建て)」や「社宅・寮」と答えた方は少なく、シェアハウスと答えた方はいなかった。
電動キックボードを使用する頻度について質問したところ、60.4%が「週1回」と回答した。半数以上の方が週に1回電動キックボードを使用していることが分かる。さらに、23.1%が「週2回」と回答し、10.4%が「週3回」と回答。全体の9割以上が週1回から3回使用していることが分かった。
今回のアンケートでは、使用頻度が週4回以上の回答者は少なく、週に1回から3回の利用が上位となった。こうした数字から、毎日の通勤や通学で使用している方は少ないと予想される。
所有について質問すると、56.0%の人が「自身で所有している」と回答した。また44.0%が「都度借りている」と回答し、自身で所有している方より少ない結果となっている。最近は電動キックボードが手軽に借りられるようになり、借りる場所や乗り方によっては、借りるほうが便利だという利用者もいるだろう。
電動キックボードの購入価格について質問したところ、全体の20.1%が「20,001円~40,000円」と回答。次いで、14.9%が「40,001円~60,000円」と回答し、全体の3割以上の方が20,001円から60,000円で電動キックボードを購入している。
一方で、全体の9.7%が「100,001円以上」と高額な電動キックボードを購入していることがわかる。電動キックボードの価格は20,000円ほどから100,000円以上するものまでさまざまな価格帯のものがあるが、今回のアンケートではリーズナブルな電動キックボードを購入した方が多くいた。
月額使用料について質問したところ、全体の18.7%が「1円~2,000円」と回答した。月々2,000円以内の使用料なら、年間でも24,000円以内と購入するよりも安く利用できる。また、使用するときだけ借りられるため、使用しない月は費用がかからず、保管場所にも困らないという利点がある。
必要なときだけ使用したい人、費用を抑えて電動キックボードを使用したい人は、その都度借りる利用方法も選択肢のひとつだろう。
電動キックボードの使用用途には、47.0%が「遊び」と回答し、47.8%が「場所移動」と回答した。遊びと場所移動と回答した方はほぼ同数となっている。
一方、5.2%が「通勤」と回答し、遊びや場所移動よりもかなり少なかった。使用頻度に関する質問で、60.4%が「週1回」と回答した方が最多となり、毎日の通勤で使用している方は少ないことが予想されたが、やはり遊びや場所移動で使用していることが分かった。
電動キックボードを使用し始めた時期について質問したところ、26.9%が「~1カ月」と回答し、最多となった。
次いで、25.4%が「1~2カ月」と回答し、半数以上の回答者が2カ月以内に電動キックボードを使用し始めたことがわかる。調査時は法改正から1カ月も経過していないが、法改正前後で使用し始めた方が多く、電動キックボードを選択しやすくなったのかもしれない。また、法改正について注目されることで、電動キックボードへの関心度がアップし、選択肢に入りやすくなった可能性もある。
アンケート結果から、9割近くの回答者が1年以内に電動キックボードを使用し始めている。だんだんと電動キックボード利用者を見かける頻度が増えている状況から、その人気の高さが感じられる。
電動キックボードを使用したきっかけについて質問したところ、44.8%が「ちょっとした移動に楽で便利だから」と回答した。
半数近くの利用者が移動に使用したいと考えていることがわかる。さらに、28.4%が「遊びとして楽しそうだったから」と回答し、気軽に使えることを重視した方が多い印象だ。
今後も使い続ける予定か質問したところ、91.8%の方が「はい」と回答した。9割以上の方が今後も使い続ける予定で、現在の使用状況に満足していることがうかがえる。
運転免許を保持しているか質問したところ、94.0%の方が「保持している」と回答。今回の法改正で運転免許を持っていなくても、16歳以上であれば電動キックボードに乗れるようになったが、運転免許をすでに持っている方が多いことがわかる。
・持ち家(一戸建て)に住む方は半数近かった
・電動キックボードを使用する頻度は週1が最も多い
・9割以上の方が週に1回から3回使用している
・自身で電動キックボードを所有している人は半数以上
・電動キックボードをリーズナブルに購入している方が多かった
・有料で借りている方で月額2,000円以内の方は全体の約2割
・遊びに使う方と場所移動で使う方がほぼ同数
・半数以上の方が2ヶ月以内に電動キックボードの使用を始めた
・ちょっとした移動に楽で便利だから使用し始めた方が約半数
・今後も使い続ける予定の方は9割以上
・運転免許を持っている方は9割以上
令和5年7月1日に、道路交通法の一部改正により、電動キックボードに関するルールが変わりより便利になり、今後利用者は次第に増えていくと思われる。新しくできた法律を理解するのは、なかなか体力を使うことだが、公道を走行する割合の多いクルマのドライバも、電動キックボードを見かけた際には、電動キックボードの動きを予測して運転するなど、思いやりのあるドライビングが求められそうだ。