ダイムラーとBMWが共同開発する自動運転車の発売時期
▲BMW(写真左)とダイムラーは自動運転技術を搭載したモデルを2024年に発売予定
7月4日、ダイムラーAGとBMWは「自動運転の分野で長期にわたり協力していく方針で合意した」と発表した。
両社が掲げる当面の目標は「レベル4に対応した高度な自動運転技術で、高速道路走行と自動駐車ができる」モデルを「2024年に市販」することになる。両社は2019年2月末の段階で「自動運転の技術開発に関して協力する」方針を発表していたが、今回の発表で具体的な商品のローンチ時期が明らかになった。
ハイレベルな自動運転技術を開発するためには、長期にわたっての協力関係が不可欠で、自動運転に対応した「拡張可能なプラットホーム」(スケーラブルプラットホーム)を構築する段階まで協力関係を発展させる必要がある。
両社が協力する最大の理由は、自動運転技術を早期に実用化する狙いがあるからだ。現在、ダイムラーはジンドルフィンゲンにあるメルセデス・ベンツ・テクノロジー・センター(MTC)で、BMWはミュンヘン近郊のBMWグループ・オートノマス・ドライビング・キャンパス(BADC)でそれぞれ技術開発を行っている。
メルセデスは早い段階から社内で独自に自動運転技術の開発に着手し、レベル3からレベル4、レベル5(レベル3は監視するドライバーが必要な部分自動運転、レベル4は自動運転だが場所が限定される。レベル5はどの場所でも完全に自動運転可能)に対応した車両を目指している。
2019年には米国のサンホセ、シリコンバレーを対象に、都市部の自動運転技術(レベル4、レベル5対応)を試験的に運用する。ダイムラーによれば、この技術をベースに次段階の自動運転技術を開発するという。そして10年以内にレベル3を超えた完全なレベル4、レベル5技術を実用化し、乗用車をはじめバスやトラック、商用バンにも展開していく計画だ。
BMWは2017年から自動運転の開発拠点をBADCに移し、レベル2からレベル4に適合した自動運転技術の開発に取り組んでいる。BADCでの開発は急速に進み、自動運転技術の新スタンダードになるまでに高度化した。
BMWは最新技術を搭載した70台以上が世界各地で走らせ、データを収集している。こうした走行データに基づいて、自動運転技術の実用化計画が進められている。現在開発中のシステムはBMW・iネクストという名称で2021年に量産化される予定だ。