欧州自動車工業会(ACEA)は3月21日、2月の欧州新車販売データを明らかにした。
EU+EFTA+UKの99万5059台で、前年同月比10.2%増。1〜2月の累計販売台数は201万2136台で、10.9%増だった。
欧州5大マーケットは、ドイツが21万7388台(前年同月比5.4%増)、イタリア14万7026台(同12.8%増)、フランス14万2595台(13.0%増)、英国8万4886台(同14.0%増)、スペイン8何1348台(同9.9%増)とそろって好調。
パワートレーンに注目して販売台数を整理すると、BEVの最大マーケットはドイツで2万7497台、前年同月比15.4%減で国内シェアは12.6%。ドイツはBEVの販売不調が伝えられて数カ月が経過するが、5大マーケットで唯一の減少になっている。ドイツやBEVやPHEVに対する優遇税制が終了し、これがBEV減速の理由だと指摘されている。
フランスのBEV販売は2万5285台(31.8%増、シェア18.1%)、英国1万4991台(同21.8%増、シェア17.7%)、イタリア5007台(同3.1%増、シェア3.4%)、スペイン3804台(同15.4%増、シェア4.7%)である。
極端にBEV比率が高いノルウェーは6647台を販売し、シェアは90.1%とBEVが圧倒的。
2月に5000台以上のBEVを販売したベルギー9385台(シェア21.5%)、オランダ8291台(同27.3%)、スウェーデン5229台(27.9%)となっている。
ここまで紹介した各国の中でPHEVの最大マーケットはドイツの1万4575台(シェア6.7%)だが、シェアの最多はスウェーデンの23.9%(4492台)である。
BEVシフトに急速に転換した欧州マーケットにあって、ドイツが面白い状況になっている。5大市場の中で、唯一、ディーゼル販売が増加しているのだ。2月は前年同月比9.7%増の4万2153台を販売。今年1〜2月のディーゼル全販売は前年同期比7.0%増を記録している。なお、ディーゼルの減少率が最も大きいのはフランスで、前年同月比27.2%減である。
ドイツメーカーが展開する最新のディーゼルエンジンには完成度が高いと多くのモータージャーナリストがレポートしているが、BEV一択の状況から、「効率よく二酸化炭素を低減させる選択肢は何か」に変わろうという前兆なのかもしれない。