2019年5月米国新車販売、SUVやトラックは好調だが

頑張れセダン、米国の販売傾向が大きく変わった

2019年5月米国販売フュージョン.jpg▲フュージョンはフォードのミドルクラスセダン 2019年5月は2万1045台を販売

 米国新車販売は5カ月連続の前年実績割れと、落ち込みが止まらない。SUVやピックアップトラックのセールスは好調だが、セダンなどの乗用車系が2桁減と、足を引っ張った。

『オートモーティブニュース』誌がまとめた5月の米国新車販売台数は158万7335台。前年同月比は0.3%減と、5カ月連続で前年実績を下回った。全販売台数の内訳は、乗用車が45万3304台で、同11.5%減と、ダウントレンド。一方、ライトトラック(SUVやピックアップトラック、ミニバン)は113万4031台で、同5%増だった。

 日本メーカーのビッグ3は、トヨタが22万2174台を販売。前年同月比は3.2%増と、7カ月ぶりに前年実績を上回った。ベストセラー乗用車のカムリは、同20.8%増の3万6208台と、7カ月ぶりのプラス。カローラは同13.1%減の2万5712台と、3カ月連続でダウンした。SUVは、RAV4が4万3499台を売り上げ、同13.9%増と、2カ月連続の前年実績超え。ハイランダーは同1.1%増の2万1548台と、3カ月ぶりにアップした。中型ピックアップトラックのタコマは、同6.8%増の2万2832台と、プラスを保った。

2019年5月米国販売 タコマ.jpg▲トヨタ・タコマ 2.7リッター直4と3.6リッターV6を設定 全長は5392〜5728mm

 ホンダは14万5532台を販売。前年同月比は4.9%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。アコードが2万3892台を販売し、同15.3%減と、2カ月連続のマイナス。CR-Vは3万893台で、同14%減と、2カ月ぶりにダウン。シビックは3万2800台を売り上げたものの、同4.5%減と、3カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。中型SUVのパイロットは、同7.8%減の1万2517台。オデッセイは同3.5%減の9519台と、5カ月連続の前年実績割れだった。

 日産は13万1983台をセールス。前年同月比は0.1%の微増ながら、2カ月連続でアップした。主力ミドルセダンのアルティマ(日本名ティアナ)が2万4218台を販売。同5.2%増と、2カ月連続で前年実績を上回った。セントラ(日本名シルフィ)は、同4%増の1万8831台と、2カ月ぶりのプラス。エクストレイルの米国仕様車ローグは、2万8600台。同25.5%減と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。

 米国ビッグ3は、GMの販売実績(『オートモーティブニュース』誌調べ)が26万3500台。前年同月比は1.2%減と、6カ月連続でダウンした。主力のシボレーは、SUVのエキノックスが同21.7%増の2万9445台と、4カ月連続でアップした。フルサイズピックアップトラックのシルバラードは、同3.3%減の5万2617台と、4カ月連続で前年実績を下回った。

 フォード(『オートモーティブニュース』誌調べ)は23万1588台を販売。前年同月比は4.1%減と、4カ月連続で前年実績を下回った。主力ミドルセダンのフュージョンが、同38%増の2万1045台と、3カ月連続のプラス。一方、主力SUVのエスケープは、同0.6%減の2万6834台と、3カ月連続でダウンした。大型ピックアップトラックのFシリーズは、同0.3%減の8万4355台と、4カ月連続で前年実績を割り込んだ。

 FCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)USは21万8702台を販売。前年同月比は2%増と、4カ月ぶりのプラス。大型ピックアップトラックのダッジ・ラムが、同33%増の6万2250台と、13カ月連続でアップ。クライスラーは、ミニバンのパシフィカが同26%減の8232台と、7カ月連続でダウン。ジープは、グランドチェロキーが同18%増の2万5394台だった。

 そのほかの日本メーカーは、SUBARU(スバル)が5月としては過去最高の6万3972台を販売。前年同月比は6.4%増と、90カ月連続の前年実績クリア。マツダは2万5192台で、同16%減。11カ月連続で前年実績を下回った。三菱は9750台を販売。同21.5%減と、2カ月連続で前年実績を下回った。

 2019年1~5月の新車販売実績は690万5544台にとどまり、前年同期比は2.4%減。スバル・オブ・アメリカのジェフ・ウォルターズ営業担当上級副社長は、「SUVのラインアップが、販売面での成功に重要な役割を果たすだろう」と述べ、今後も米国新車販売がSUV頼みとなる見通しを示している。

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