国内販売は足踏み状態。ユーザーは増税後の販売促進策に注目か

消費税アップ前の駆け込み需要は起きないのか?

ホンダ・フィットRS.jpg▲ホンダ・フィット 6月は8437台を販売して前月の9位から4位に躍進

 6月の国内新車セールスは、3カ月ぶりに前年実績を下回った。10月の消費増税を前に、駆け込み需要は起きていない。2014年の消費増税の際には、増税の3カ月前に2桁増を記録していたのと比べ、嵐の前の静けさを思わせる。

 6月の国内新車総販売台数(軽自動車を含む)は45万397台。前年同月比は0.8%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。

 日本自動車販売協会連合会(自販連)が発表した2月の新車販売台数(軽自動車を除く)は29万225台。前年同月比は0.9%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。登録車の販売台数のうち、乗用車は24万8056台。同1.8%減と、3カ月ぶりのマイナス。普通車(3ナンバー)が同1.4%増の13万9248台と、3カ月連続のプラス。一方、小型車(5ナンバー)は10万8808台で、同5.5%減と、7カ月連続の前年実績割れ。

 メーカー別は、全8メーカー中、2社が前年実績を上回った。トヨタ(レクサスを含む)は13万4117台で前年同月比は4.9%増と、3カ月連続でアップ。ホンダは3万4220台を販売し、同7.5%増と、3カ月連続で前年実績を上回った。

 一方、日産は3万1951台にとどまり、前年同月比は10.4%減と、7カ月連続のダウン。マツダも1万960台にとどまり、同29.2%減と、4カ月連続で前年実績を下回った。SUBARU(スバル)は9745台を売り上げたものの、同1.2%減と、3カ月ぶりの前年実績割れ。スズキは8936台を販売し、同21%減と、2カ月連続のマイナス。三菱は3641台で、同0.2%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。ダイハツは2293台にとどまり、同24.2%減と、2カ月連続でダウン。

 乗用車の車種別販売ランキングは、トヨタ・プリウスが3カ月連続で首位に立った。1万2093台を販売し、前年同月比は21.5%増と、改良モデル投入の効果が持続する。2位は日産ノート。1万2075台を販売し、同6.7%増と、プラスに転じた。3位はトヨタ・アクアで、8716台を販売。同25.1%減と、3カ月連続のマイナスとなった。

 以下、ベスト10は、
 4位ホンダ・フィット8671台
 5位トヨタ・カローラ8437台
 6位日産セレナ8366台
 7位トヨタ・ルーミー8338台
 8位トヨタ・シエンタ7981台
 9位トヨタ・ヴィッツ7974台
 10位ホンタ・フリード7869台。

 5月は9位のフィットが4位に急浮上したのが目を引く。一方、5月に7位につけたRAV4は11位に後退した。なお、ベスト10内で前年実績をクリアしたのは、プリウス、ノート、フィット、カローラ、ルーミー、シエンタ、ヴィッツ、フリードの8車種となる。

日産セレナ2019年9月号HP用.jpg▲日産セレナ 6月の乗用車販売ランキングトップ10入りしたミニバンは日産セレナとホンダ・フリードの2モデルだった

 輸入車(日本メーカーの海外生産分を除く乗用車)のセールスは3万1131台。前年同月比は1.7%減と、2カ月連続の前年実績割れ。輸入車全体でも3万5676台にとどまり、同3.3%減と、4カ月連続で前年実績を下回った。

 純輸入車のブランド別販売台数ベスト5は、
 1位メルセデス・ベンツ6181台
 2位BMW5097台
 3位VW4790台
 4位MINI2722台
 5位アウディ2450台。

 メルセデス・ベンツが52カ月連続で首位を守った。BMWは2カ月ぶりの2位。ベスト5内では、メルセデス・ベンツとMINIの2ブランドが前年実績をクリアした。

 Kカー(乗用車)の新車販売台数は11万8918台。前年同月比は3.2%減と、3カ月ぶりのダウン。商用車を含めたトータル台数は16万172台。同0.5%減と、3カ月ぶりに前年実績を下回った。

 乗用車の車種別販売ランキングのベスト5は、
 1位ホンダN-BOX2万3605台
 2位日産デイズ1万4462台
 3位スズキ・スペーシア1万2807台
 4位ダイハツ・タント1万2396台
 5位ダイハツ・ムーヴ1万738台。

 N-BOXが22カ月連続でトップを維持。前年同月比は14.1%増と、2カ月連続のプラスとなった。デイズは5月の3位から上昇。同41%増と、勢いがある。ベスト5内では、スペーシアを除いた4車種が前年実績を上回った。

 駆け込み需要が起きていない状況は、10月の消費増税後、「登録車に導入される減税策の詳細」を見極めたいというユーザー心理があるからではないか。

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