トヨタの6月販売は前年同月比12.1%増
▲トヨタは5月に欧州で新型スープラを発表 欧州のモデル名は「GRスープラ」とGRが付く ガズーレーシングがプロデュースした最初のグローバルモデル
欧州新車販売が、9カ月ぶりに前年実績をクリアした。ドイツやフランスでの新車販売が回復し、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアなどが前年比2桁増と伸びた。
5月の欧州全域(EU+EFTA全30カ国)の新車(乗用車)販売台数は144万3708台。前年同月比は0.04%と微増ながら、9カ月ぶりに前年実績を上回った。
5大主要国のうち、2カ国が前年実績を超えた。ドイツは33万2962台を売り上げ、前年同月比は9.1%増と、3カ月ぶりの前年実績超え。フランスは同1.2%増の19万3948台と、2カ月連続で前年実績をクリアした。一方、イタリアは19万7307台で、同1.2%減と、2カ月ぶりにダウン。スペインも同7.3%減の12万5625台と、2カ月ぶりに前年実績を割り込んだ。英国は18万3724台を販売したものの、同4.6%減と、3カ月連続で前年実績を下回った。
主要9社の販売実績を見てみよう。8カ月連続で首位をキープしたのは、VWグループ(アウディ、セアト、シュコダなどを含む)。販売台数は35万8115台で、前年同月比は1.9%減と、9カ月連続で前年実績を下回った。主力のVWは同8.6%減の15万8891台と、3カ月連続でダウン。アウディは同1.1%減の7万1353台と、2カ月連続のマイナス。
2位はフランスのPSAグループ(プジョー、シトロエンなどを含む)。23万6888台を販売し、前年同月比4.1%増と、2カ月連続の前年実績超え。ブランド別は、プジョーが同1.7%増の8万8800台と、3カ月ぶりにアップ。シトロエンは同13.5%増の6万1323台と、6カ月連続で前年実績を上回った。オペル(ボグゾールを含む)は8万2573台で、同1%増。
3位はルノー・グループ(ダチアなどを含む)。販売台数は15万7983台で、前年同月比は4%減と、4カ月ぶりにダウンした。主力のルノーは同10%減の9万88788台と、9カ月連続の前年実績割れ。ダチアは同7.8%増の5万8205台と、5カ月連続のプラス。
4位はFCA(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)グループ(ランチアやアルファロメオなどを含む)で、4月の5位から上昇した。販売台数は10万1244台で、前年同月比は8.3%減と、9カ月連続のマイナス。ブランド別は、フィアットが同4%減の7万3847台と、2カ月ぶりにダウン。アルファロメオは同49.3%減の4660台と、9カ月連続のマイナス。ランチア(クライスラーを含む)は同19.8%増の6094台と、7カ月連続のプラス。ジープは同13%減の1万6110台と、2カ月連続で前年実績を割り込んだ。
▲ランチア・イプシロン
5位は韓国のヒュンダイ・グループで、4月の4位から後退。販売台数は9万3026台で、前年同月比は2.3%増と、2カ月連続のプラスだった。
6位はBMWグループ(MINIを含む)。9万1991台を販売し、前年同月比は8%増と、2カ月連続で前年実績を上回った。BMWは同15%増の7万6286台と、2カ月連続のプラス。MINIは同16.5%減の1万5705台と、2カ月連続で前年実績を下回った。
7位はダイムラー(メルセデス・ベンツとスマート)。販売台数は8万5688台で、前年同月比は0.2%減と、2カ月ぶりに前年実績を下回った。ブランド別は、メルセデス・ベンツが同0.5%減の7万6111台と、2カ月ぶりにダウン。スマートは同2.2%増の9577台と、2カ月連続のプラスとなった。
8位はフォードで、8万4490台を販売。前年同月比は4.5%減と、9カ月連続の前年実績割れ。
9位はトヨタ・グループ(レクサスを含む)。7万3189台を販売し、前年同月比は12.1%増と、2カ月連続のプラス。ブランド別は、トヨタが同11.2%増の6万8099台と、2カ月連続のプラス。レクサスも同26%増の5090台と、2カ月連続で前年実績を上回った。
トヨタ以外の日本メーカーは、日産が3万3383台にとどまり、前年同月比は17.9%減と、9カ月連続のマイナス。ホンダは9135台で、同17.6%減と、9カ月連続で前年実績を割り込んだ。一方、マツダは同10.4%増の1万9525台と、好調だ。三菱は同20%増の1万3397台と、引き続き堅調だ。
2019年は、5月実績が9カ月ぶりに回復したものの、1~5月販売累計は693万5028台にとどまり、前年同期比は2%減と、ダウントレンドにある。ACEA(欧州自動車工業会)は、「5月の回復は、中欧諸国の販売が前年同月比6.2%増と伸びた効果」としており、今後、5大主要国以外が欧州新車市場回復のカギを握る可能性が高い。