フォルシア・クラリオンが提示する未来のクルマ像
▲メモリー設定後に置かれたパイロン(未知の障害物)を避けて走行 歩行者を発見すれば自動的に停止 自動遠隔出庫(長距離呼び寄せ)システムはショッピングモールなどの広い駐車場などで役立つ技術だ
フォルシア・グループのエレクトロニクス部門を担当するクラリオンは、7月8日、クラリオン本社で技術説明会を開催。その中で最も注目を集めた技術が、国内初披露の自動遠隔出庫(長距離呼び寄せ)システム(ロングレンジサモン)だった。
このシステムは、ちょっと離れた位置に駐車しているマイカーを自分がいる場所まで自動運転で呼び寄せるというもの。暗い駐車場、悪天候時、荷物がたくさんあるときなどの利便性と安全性を高める。 自動遠隔出庫を支える主な技術は、周囲の認識、障害物回避、移動経路記憶、自車位置の把握など多岐にわたる。車両の周辺を確認するためのセンサーは前後6個ずつ、カメラは前後左右の計4基、自動運転に不可欠の検知システム、ライダーは前後それぞれに搭載している。クルマを止めるときに通った経路を反転する場合、メモリー内の経路を反転してクルマを移動させる必要がある。
▲フロントグリルとリアバンパーに装着されたライダー 周囲の障害物を検知する装置
クラリオンの説明によれば、地図を自動的に生成してメモリーする機能は100m以上の距離に対応するという。
駐車している車両を動かすコマンドはスマホで入力し、クルマが移動している様子もスマホで確認できる。
公開されたデモ走行は、途中にパイロンの障害物があり、約30mの距離を移動する内容。運転席にはスタッフが乗車していたが、デモ走行中はいっさいステアリングを握らずにスマホでコマンドを発した位置まで正確に走行した。途中、歩行者がクルマの前を横切ると、システムは瞬時にクルマを止めた。
このほか、クラリオンの音響技術を発展させた3Dピュアサウンド・サーフィス・システムや、イマーシブサウンドなどは、スピーカーを使わずにドアや車体を振動させる技術で構成。サブウーハーの代わりにエキサイターという振動板を使うアイデアも紹介されていた。
▲現在の一般的なスピーカーは左の3種類 将来的には右側の2種類のようなスピーカーやエキサイターを使った音響システムになりそうだ