米国フォードは8月12日、「テキサス州の電力会社TXUエネルギーと提携し、自宅でBEVに充電する際の費用を無料するプログラムを提供する」と発表した。
BEVの普及を考えるうえで、充電設備の普及と充電にともなく電気料金の高騰は大きなテーマ。フォードとTXUエネルギーは、夜7時から翌日13時までに充電した料金は無料にすることで、電力需要の少ない時間帯に効率よく充電してもらうサービスを通じて、BEVの普及を後押しする。
18時間にもわたる無料サービスだから、ユーザーにとっては使い勝手がいい。サービスはフォードのアプリか車載のタッチスクリーンを通じた操作で受けられる。
このリリースで気になったのは、「2023年に米国のBEV販売でテキサス州は3番目に大きかった」という点。米国の州別BEV保有状況はどうなっているのだろうか。
テキサスといえば、人口はカリフォルニア州の次に多く、面積はアラスカ州の次に広い。人口が多いのだから、当然自動車保有台数も多い。テキサス州のDMV(自動車の登録管理当局)によれば、2021年7月時点での登録台数は2513万5966台。これは3100万台を超えるカリフォルニア州に続き、全米2位。3位が約2000万台のフロリダ州である。
10万台を超えているのはワシントン州(14万1055台)、ニュージャージー州(12万5317台)、ニューヨーク州(12万1768台)の3州だ。
テキサス州のBEV登録台数は、2024年6月時点で21万433台。全米トップはカリフォルニア州117万8948台、2位がフロリダ州23万1518台。20万台を超えているのは、この3州だけである。
アライアンス・フォー・オートモーティブ・イノベーション(米国)が発表した2023年のパワートレーン別登録データは、テキサス州のBEV比率は5.48%。全米平均7.62%を下回っている。
BEV率が最も高いのはカリフォルニア州で22.09%。次がワイオミング州の15.77%、ワシントンDCの15.58%、ネバダ州の11.56%、ニュージャージー州の10.85%と続く。10%を超えている州は以上である。BEV登録台数第2位のフロリダ州は6.50%だ。自動車産業の聖地といわれたデトロイトを抱えるオハイオ州は4万6128台のBEV登録があり、2023年のBEV率は3.11%にとどまる。