欧州自動車工業会(ACEA)は9月19日、8月の欧州新車販売台数を発表した。欧州市場(EU+EFTA+UK)の新車販売台数は75万5717台で、前年同月比16.5%減だった。
ACEAは「新車登録台数が急落している。ドイツは前年同月比27.8%減、フランは24.3%減、イタリアは13.4%減と2桁ダウンを喫している」と厳しい現状を認める。欧州5大市場のうちスペインは6.5%減、英国は1.3%減と、すべて前年実績を割り込んでいる。
パワートレーン別販売データを見ると、BEV(前年同月比36.0%減・12万5833台)、PHEV(22.1%減・5万2860台)、ガソリン(17.7%減・24万5308台)、ディーゼル(26.3%減・7万6503台)のすべてが前年比減。唯一、HEVが8.3%増(23万6759台)だった。
昨年8月、BEVの市場シェアは21.7%だったが、今年は16.7%。HEVは昨年の24.2%から31.3%にアップしている。BEVの販売は4カ月連続で前年同月比割れで、拡大を続けていた昨年実績から一転した。国別で見ると、ドイツは昨年8月のBEV比率31.7%が13.7%にダウン。ドイツは台数ベースでいうと68.8%の減少(5万9625台減)である。同様にフランスは17.3%が15.3%(台数比は3.1%減)、英国は20.1%が22.6%(同10.8%増)になっている。
ドイツは2023年まででBEVに対する補助金を打ち切り、フランスはアジア生産のBEVは補助金の対象外にした。EU委員会は2035年以降の内燃機関搭載モデルの販売禁止策を「e-Fuelなどに限っての使用を認める」方針に変更している。BEV販売の停滞、中国製BEVの進出に対する関税の強化……欧州市場にとってBEVをめぐる課題は尽きない。