ACEA(欧州自動車工業会)が11月21日に発表した10月の欧州(EU+EFTA+UK)新車販売台数は104万1672台で、前年同月比0.1%増だった。
欧州5大マーケットはドイツが23万1992台で前年同月比6.0%増。スペイン8万3472台で同7.2%増。英国は14万4288台で同6.0%減、フランス13万5529台で11.1%減、イタリア12万6570台で同9.1%減だった。
パワートレーン別で見ると、ハイブリッドが34万6548台でシェア33.3%。ガソリンの31万6618台(30.4%)を抜いている。前年同月はハイブリッド28.8%、ガソリン34.1%だった。好調が伝えられるハイブリッドは、数字にも表れている。
停滞が指摘されるBEVは16万9525台でシェア16.3%。前年は15万8620台、15.2%だったから微増である。国別で見ると、ドイツは3万5491台を販売し、シェア15.3%。フランスは2万899台、シェア15.4%。英国は2万9802台、シェア20.7%。1万862台のBEV販売で、シェアが94.0%に達するノルウェイ、販売8892台、シェア61.3%のデンマークのような例を除けば、BEVシェアが20%を超えるのはなかなか難しいようだ。
シェア20%がどのような状況なのか、日本国内の新車販売に照らして考えてみよう。自販連(日本自動車販売協会連合会)と全軽自協(全国軽自動車協会連合会)のデータによれば、今年1〜6月の登録車と軽自動車の新車販売台数は212万7352台。4〜9月は216万8625台である。シェア20%は、42万〜43万台に相当すると考えていい。
わかりやすいように、販売台数を登録車に限って整理する。自販連の車名別販売台数データ(4〜9月販売)で見ると、トヨタ・カローラが7万7030台、トヨタ・ヤリスが7万3052台、トヨタ・シエンタ5万8645台、日産ノート4万8339台。トヨタ・ルーミー4万2891台。トップ5の合計が29万9957台。6位のホンダ・フリード4万614台、7位日産セレナ3万9637台を加えても38万208台。8位のトヨタ・アルファード3万8794台を加えて41万9002台。9位のホンダ・ヴェゼル3万6251台を加えて45万5253台。つまり登録車の新車販売トップ8がすべてBEVに切り替わると、シェアが20%に近づくのである。これが最新の英国新車販売におけるBEVシェアということになる。
軽自動車(1〜10月)は乗用車の届出台数が、99万8049台だった。このうちBEVの日産サクラは1万9714台、三菱eKクロスEVは2064台で、合計2万1778台。軽自動車BEVシェアは2.2%である。サクラとeKクロスEVは現在の10倍売れるとシェア20%超えという計算だ。
1〜10月の軽自動車は100万台の登録があったとみなした場合、ホンダN-BOX(17万3395台)、N-WGN(2万8263)の2台がすべてBEVになった場合(20万1658台)に相当する。
BEVシェア20%がいかに高い壁かがわかる。