月間180万台以上を販売しても、前年同期比マイナス。厳しいね
▲一汽トヨタのアバロン 全長×全幅×全高4975×1850×1450mm エンジンは2.5リッター直4(154kw) ハイブリッドは2.5リッター直4(131kw)+モーター(88kw) photo:TOYOTA
中国の新車セールスの不透明感が増している。中国汽車工業協会の発表によると、7月の新車販売台数は、商用車と輸出を含めて180万8000台。前年同月比は4.3%減と、13カ月連続で前年実績を下回った。
そんな中、日系メーカーは4社中3社が前年実績超え。日系メーカー首位は、トヨタ。7月では過去最高の13万9100台をセールス。前年同月比は8.3%増と、16カ月連続で前年実績をクリアした。新グレードを投入したカムリや、今春発売した大型セダンのアバロンが支持された。4月からの付加価値税の引き下げ効果で、高級車レクサスも堅調。2019年1~7月は、中国で前年同期比11.6%増の90万8900台を販売した。
2位のホンダは、7月では過去最高の11万5950台を販売。前年同月比は9.4%増と、5カ月連続でアップした。シビック、アコード、CR-V、クライダーの主力4モデルが、それぞれ1万台以上を販売。中でも、シビックは2万台以上を達成。ハイブリッド車も好調で、アコード・ハイブリッドやCR-Vハイブリッドなど合計で9446台を販売した。19年1~7月は、前年同期比20.5%増の86万1359台を売り上げた。
3位の日産は10万8343台を販売し、前年同月比は1.4%増と、4カ月連続で前年実績をクリアした。ティーダが同17.3%増の4967台を販売。SUVは、エクストレイルが同16.8%増の1万5800台、キャシュカイは同12.3%増の1万4766台。7月16日に発売された新型シルフィは、1万2000台と、良好な立ち上がり。新型アルティマも1万424台を販売した。19年1~7月は、前年同期比0.1%減の82万6611台。
マツダは1万7051台にとどまり、前年同月比17.2%減と、2カ月ぶりのマイナス。アテンザとアクセラ、CX-5のスカイアクティブ・テクノロジー搭載3車が主力モデル。アクセラが7272台、アテンザが3844台、CX-5が3016台、CX-4が3695台を販売した。19年1~7月は前年同期比25.9%減の12万3396台にとどまった。
メルセデス・ベンツは7月の新記録となる5万9435台をセールス。前年同月比は13%増と、2カ月連続で前年実績を上回った。EクラスとCクラスのロングホイールベース車が販売の中心。19年1~7月は、同期では過去最高の40万4092台を販売。前年同期比は2.9%増と、好調だ。
アウディは5万6365台を販売。前年同月比は6%増と、2カ月連続で前年実績を上回った。ロングホイールベース車のA4Lが最量販モデルで、同3.7%増と、堅調だった。フラッグシップのA8Lも、同21.2%増と、伸びた。19年1~7月は、前年同期比2.5%増の36万8867台を販売した。
▲アウディA8L ボディサイズは全長×全幅×全高5302×1945×1488mm ホイールベースは3128mm(スペックは欧州仕様) photo:Audi
ボルボカーズは1万2639台を販売。前年同月比は24.9%増と、5カ月連続でアップした。現地生産のXC60とセダンのS90が販売の中心。19年1~7月は、8万380台を販売し、前年同期比は12.3%増と、前年実績をクリアした。
ジャガー・ランドローバーは3万7945台を販売し、前年同月比は5%増と、堅調だった。ブランド別の内訳は、ジャガーが同3.6%増の1万1386台、ランドローバーは同5.6%増の2万6559台。7月に発売した新型レンジローバー・イヴォークは、顧客の反応が良好という。19年1~7月は、16万6560台を販売し、前年同期比は8.3%のマイナスだった。
ジャガー・ランドローバーの営業担当チーフ、フェリックス・ブラウティガム氏は、「現地ディーラーの積極的な取り組みのおかげで、前年よりも大幅に改善された。中国市場はまだ不安定だが、この重要な地域で長期的な販売体制の構築を図る」と語り、意欲を見せている。ダウントレンドとはいえ、世界最大規模の中国市場の攻略は、極めて重要だ。