SUBARUの北本工場(埼玉県)は、2022年12月リニューアル工事がスタートし、24年10月にストロングハイブリッド用トランスアクスル生産工場として生産を開始した。もともとは芝刈り機や建設機械用の汎用エンジンやスノーモビル用などの車載エンジンを生産していた拠点である。24年12月時点での生産能力は年間18万6000台で、役250名のスタッフが働いている。
北本工場は品質の向上と安定性を高めるために、カンやコツに頼っていた作業を低減させ、開発部門と早期に連携して量産に向けた取り組みを進めている。
働きやすい環境作りのために、作業負荷の軽減が図れるよう工夫したり、昼夜2直勤務のほか、昼勤固定を道入した。昼勤に固定することで、子育て世代の労働者や女性の労働力確保を目指している。スバルは組み立てラインで女性が対応可能な工程が91%に達していることを明らかにしている。作業負荷の測定・評価にあたっては女性を対象にして適正化を進めている。
スバル・クロストレックのストロングハイブリッドは、フロントにエンジンと2基のモーター、そして変速機を組み込んだトランスアクスルリア搭載し、リア(荷室床下)に高電圧バッテリーを積んでいる。前後輪はプロペラシャフトでつなぎ、前輪と後輪の回転数がほぼ一致している状態を確保している。前後を独立したモーターで駆動する場合、前後輪の回転数が大きく異なる場合が発生しかねない。スバルはそれを避けるためにプロペラシャフトを使ったのである。また、プロペラシャフトが車両の左右中央になるように配慮し、シンメトリー構造を保った。
ストロングハイブリッド用エンジンは、従来型の2.5リッターエンジンとはシリンダーブロックの形状やインテークマニホールド、燃料の配管、冷却の配管などが異なる。燃焼効率を高めるために、ミラーサイクル方式に変更し、EGR(排気ガス再循環)システムを変更している。