トヨタは、燃料電池バス「SORA」のニューモデルを発売。ITS機能の活用などにより、安全性や、輸送力、定時性を向上させた。
▲燃料電池バス「SORA」 ITS機能の活用により安全性/輸送力ならびに速達・定時性をアップ
路線バスとして活用されるSORAは、稼働率も高く、高い安全性が求められる。その点から、今回新たに、交差点の右折時に、ドライバーへの注意喚起を促す機能などを採用した。
路側装置と車両の通信で取得した「対向車・歩行者情報」「信号情報」などを活用し、ドライバーに注意喚起を促す。具体的には、交差点での右折時に対向直進車や歩行者を見落としている可能性がある場合に注意喚起するシステムや、赤信号に近づいてもアクセルペダルを踏み続け、赤信号を見落としている可能性がある場合に注意喚起するシステムなどを導入した。
▲左から右折時注意喚起/赤信号注意喚起/赤信号減速支援/信号待ち発進準備案内
そのほかITSを活用したシステムを多く投入。「車群認識機能」は、車車間通信とミリ波レーダーにより、車群を構成する車両や、順序、車群長などの情報を認識して、ドライバーに車群の台数を通知するもの。
「ITS Connect電波型PTPS※(車群対応機能付)」は、ITS専用無線で、青信号の延長や赤信号の短縮を路側装置に要求。車群走行時には、最後尾車両から青延長の要求を発信。赤信号により車群が分断されるリスクを低減するという。
※PTPSは、Public Transportation Priority System(公共交通優先システム)
▲車群認識機能・電波型PTPS(車群対応機能付)イメージ
バリアフリーの点では、路面の誘導線をカメラが検知し、自動操舵などで乗降場の所定位置にバス停から隙き間を開けずに停車。車イスやベビーカー利用時の乗降性を向上させる「自動正着制御」をオプションで用意している。
▲自動正着制御機能イメージ
そのほか、全車速レーダークルーズコントロールや、進路上の先行車や障害物との衝突の危険性を検出した場合にドライバーに警報ブザーなどで警告するシステム、ドライバーに急病などの異常が発生した際にドライバー本人または乗客が非常ブレーキスイッチを押すことで減速して停止するシステムなども採用している。