調査会社JATOが、欧州新車販売に関するデータを発表した。
JATOのデータはEU25(EUのオリジナル加盟国に2004年までに参加した10カ国を加えたくくり方、ベルギーとルーマニアは服ない)に、英国とノルウェー、スイスを加えたEU28を対象にしたもの。ACEAはEU+EFTA+UKを対象にしたデータなので、詳細は異なる。
JATOは欧州トップ10メーカー(販売台数ベース、トップからVW/ステランティス/ルノー・グループ/ヒョンデ・キア/トヨタ/BMW/メルセデス・ベンツ/フォード/吉利=ボルボ/日産)を対象に、パワートレーン別販売比を紹介している。
この中でBEVの販売比率が最大なのは吉利(ジーリー)だ。欧州にはZEEKER(ジーカー)というブランドでBEVを投入しているほか、ボルボロータスもBEVラインアップを充実させている。また、Polestar(極星)やLynk&Co(領克)といったブランドも展開している。
2番目にBEVが多いのはBMWの27%、ヒョンデ・キアの20%と続く。
販売の総数が異なるので、電動車の販売比率をベースに実際にどれくらいのBEVを各社が販売しているのか計算してみよう。JATOのデータで計算すると、販売台数が最も多いのは24万9403台中4万4893台を販売したVWになる。次が2万314台のステランティス。1万8795のBMW、1万5044台のヒョンデ・キア。ジーリーは9393台のBEVを販売した計算だ。
JATOはBEVのブランド別販売台数(2月)も明らかにしている。
1)VW=1万9565台
2)テスラ=1万5737台
3)BMW=1万3475台
4)アウディ=9868台
5)ルノー=9387台
6)キア=8153台
7)メルセデス・ベンツ=7363台
8)プジョー=7200台
9)シュコダ=6922台
10)ボルボ=6656台
トップのVWは前年同月比180%増と絶好調だが、テスラは44%減。トップ10で前年同月比マイナスはテスラとボルボ(30%減)である。
EU28の2025年2月モデル名別新車販売データは以下のようになる。
1)ダチア・サンデロ=2万1604台
2)シトロエンC3=1万8540台
3)ルノー・クリオ=1万8348台
4)プジョー208=1万6532台
5)VWゴルフ=1万6033台
6)ダチア・ダスター=1万5401台
7)VW・Tロック=1万5284台
8)プジョー2008=1万4403台
9)VWティグアン=1万4363台
10)トヨタ・ヤリスクロス=1万3889台
ダチアはルノー・グループのブランドで、廉価モデルを中心に展開している。日本には正規輸入されていない。ダチアを除くといずれも日本でもお馴染みのモデル。欧州で売れているモデルは日本でも好調なセールスという状況がわかる。
BEVの車名別販売ランキング(2月)は次のようになる。
1)テスラ・モデルY=8790台
2)テスラ・モデル3=6834台
3)VW・ID.4=6172台
4)ルノー5=5659台
5)VW・ID.7=5432台
6)VW・ID.3=5384台
7)キアEV3=5376台
8)シトロエンC3=5153台
9)シュコダ・エニャック=4682台
10)キュプラ・ボーン=4370台
11)BMW・iX1=3404台
12)アウディQ4・e-tron=3392台
13)ボルボEX30=3314台
14)アウディQ6・e-tron=3286台
15)BMW・i4=3198台
16)メルセデスEQA=2938台
17)ダチア・スプリング=2934台
18)ヒョンデ・コナ=2474台
19)キュプラ・タバスカン=2456台
20)ルノー・セニック=2437台
テスラが1~2位を占めているが、モデルYは前年同月比56%減、モデル3は同14%減である。一方、3位のVW・ID.4は同150%増、ルノー5、VW・ID.7は前年同時期には発売されていなかった。
日本のBEVはどうなっているのか。トヨタbZ4Xが2404台の販売で21位に入っている。