祝! 創立100周年。マツダ・ロータリーの思い出

1967年、マツダがロータリーエンジンを搭載して発売したコスモスポーツに試乗して以来、歴代のロータリーエンジン搭載車にすべて試乗したキャリアを持つ岡崎宏司さんが振り返る、ロータリーの思い出。岡崎さんは、とくにRX-7が強く印象に残っているという。その理由は何か。

「風のような速さ」からロータリーエンジンの感動が始まった

2020年2月号RX-7 HP用張り込み.jpg▲写真は1989年式マツダ・サバンナRXー7 2ndモデルの後期型で最高出力は205㎰ マツダは2020年に創立100周年を迎える

 マツダのロータリーエンジン車は、環境問題対応などの難しさによって2012年で生産を終えた。しかし、ロータリーが、日本の誇るべきエンジンであり技術であった事実に、誰も異論はないと思う。  1967年、世界初の量産ロータリーエンジン車、コスモスポーツに乗ったときの感動はいまも忘れられない。その静かさ、滑らかさ、「風のような速さ」は、超の付く異次元感覚であり、まさに「革命」だった。

 マツダは看板技術として、多くのモデルにロータリーエンジンを搭載した。中でも、最も輝きを放ったのがRX-7ではないか。

 ロータリーエンジンのコンパクト性と軽量性を生かし、その長所を最大限にアピールしたRX-7の誕生は1978年。低いノーズのフロントミッドシップにロータリーエンジンを積むRX-7のルックスは、カッコよく、走りは刺激的だった。

 当然、世界のスポーツカーファンは大きな拍手で迎えた。中でも世界最大のスポーツカー市場、米国のユーザーは熱狂的だった。

 RX-7はコンパクトで軽量なだけでなく、理想的な重量配分と低いヨー慣性モーメント(旋回性能がいい)を持つ「リアルスポーツカー」だった。さらには、コンパクトなボディとタイトなコクピットがもたらす〝人馬一体〟感にも似た素晴らしい魅力があった。

 レースシーンでもRX-7はすぐに本領を発揮した。RX-7は表彰台の常連になった。アメリカのIMSA― GTレースで7年連続(1980~86年)チャンピオンに輝いた。

 RX-7はマツダのシンボルとして世代を重ねるごとに、車体もロータリーエンジンも発展していった。  パワーは1stモデルの130psから、2ndモデルはターボを得て185ps(後期型は205ps)、3rdモデルの最後期モデルは、280psにまで引き上げられている。

 RX-7ではないが、マツダ・ロータリー車の1991年ル・マン24時間レース総合優勝も、世界に誇れる輝かしい足跡だった。

マツダ・サバンナRX-7の主要諸元(1989年式)

グレード:GT-X(1989年式)
価格:5MT 247万1000円/4AT 256万5000円
寸法・重量:全長×全幅×全高4310×1690×1270mm ホイールベース2430mm 車重1250(ATは1270)kg
エンジン:654cc×2 直列2ローター・ロータリー(205ps/6500rpm 2kgm/3500rpm)
サスペンション:フロント:ストラット/リア:セミトレーリングアーム
ブレーキ:フロント:ベンチレーテッドディスク/リア:ディスク
タイヤサイズ:205/60R15 
駆動方式:FR 
乗車定員:4名

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