最新ポルシェ911に乗る

992型ポルシェ911(8thモデル)に岡崎宏司さんが試乗。エクステリアを見ていると、旧モデルと大きな違いがないように思えるが、実際に運転してみると、旧型(991型)から大きく性能を高めていたという。エンジン、トランスミッション、足回り、インテリアなど、歴代ポルシェ911を詳しく知る岡崎宏司さんのドライビングインプレッション。

最新の911は、最高の911だった

ポルシェ911 2020年4月号岡崎コラム.jpg▲最新ポルシェ911(992型)は2018年デビュー

「911は楽しい!!」「911サイコー!!」、最初に結論をいえば、こういった言葉になるだろうか。

 最新の911(992型)は、前モデルとホイールベースも同じだし、エンジンも基本的に共通。だが、それ以外はほとんどすべてにおいて違う。全幅とトレッドは拡大され、ボディはアルミ製。8速PDKも新しい。サスペンションも、タイヤ(フロント:20/リア: 21インチ)も、ブレーキも新しくなった。

 コクピットも一新された。シンプルでモダンだが、アナログ要素もしっかりと残したこのドライビング空間が、ボクは好きだ。

 3リッターDOHC24Vツインターボのフラット6は、450ps/530Nmを発揮する。レスポンスがよく、6500 rpmのリミットまで一気に吹き上がる。ターボラグを感じる場面などまずないし、直線的に盛り上がるパワー感覚はなんとも気持ちいい。

 このエンジンと8速PDKがもたらす、速くスムーズな変速のコンビネーションは、洗練と刺激性をともに高いレベルで味わわせてくれる。

 試乗車はPASM付きスポーツサスペンション仕様。車高は標準比10mm低い。 20/ 21インチタイヤと相まって、10mmの低さがもたらす視覚的効果は価値あるものとボクは感じた。ハンドリングは「ドライバーの期待をそのままトレース」する。ハートが熱くなったときはそれに応え、リラックスしたいときもまたそれに応える。そして、ステアリングのフィードバックはつねに正確。つまり、安心できる。

 ブレーキが強力でコントロールしやすい点は911の大きな魅力だ。試乗車に組み込まれたオプションのカーボンセラミックブレーキは、さらにその魅力を高めていた。

 新型911カレラ Sの動質をシンプルにまとめれば、「速くて」「よく曲がって」「よく止まる」、といった表現になる。それはいずれも「超」のつくハイレベルでの話だ。

 911は、またいちだんと進化した。最新は素晴らしい。

911(992型)主要諸元

グレード:カレラS 価格:8SMT 1696万8519円
寸法・重量:全長×全幅×全高4520×1850×1300mm ホイールベース2450㎜ 車重1540㎏
エンジン:2981cc水平対向4DOHC24Vツインターボ331kW(450ps)/6500rpm 530Nm(54.1kgm)/2300〜5000rpm
サスペンション:フロント:ストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ:前後ベンチレーテッドディスク
タイヤサイズ:フロント:245/35ZR20/リア:305/30ZR21
駆動方式:RR
乗車定員:4名
最高速度:308㎞/h 

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