連載48回 今こそコレに乗ろう!第2弾 ようやく手ごろになった超人気中古車ハリアー&レクサスRX

top.jpg小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜18時50分TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』

●ハリアーほど全世代で成功したSUVはない!

 前回お届した「知られざる自動車版コロナ株」のお話。

 いま、一部の中古車オークション価格が暴落中。「海外で高値取引される人気国産車」の値が下がっているのだ。

 理由はシンプルで、輸入車を受け付けるアジア諸国の保税区がコロナ騒ぎで止まっているから。仕入れても登録できないので、外人が国内オークションで買っていかない。よって自ずと売買価格が下がっているワケ。

 というわけで、今回は第2弾。それはハリアーと人気のレクサスSUVの中でも高値で知られるRXだ。

ハリアーフロント.jpg▲新型コロナウイルスの影響は中古車業界にも多大な影響を及ぼしている 高値で取引されていた中古車は思いもよらず値が下がったモデルもある

 まずハリアー、6月には4thモデルが登場するが、取材したマスダオートの増田会長いわく「ハリアーほど成功したトヨタSUVってないですよ。なにしろ1stから3rdモデルまですべて成功、1回も不人気になったことがない。極端な話、名前だけで売れる」。
 
 たしかにそのとおり、1stモデルは有名なタキシード姿のライオン男CMで有名になり大ヒット。2ndモデルも10年というロングセラー。さらに、ほぼ国内専用となった3rdモデルも人気で、7年目を迎えた。

ハリアーリア.jpg▲トヨタ・ハリアー・プログレスは人気のSUV ASEAN諸国では中古車が高値で取引されていた

 とくに3rdモデルはシンガポールとマレーシアに一部ターボ車が正規輸出されるほどの大人気で、なかでも17年6月にマイチェンし、テールレンズが変更になった現行モデルは「新車で330万円したグレードが3年落ちでも300万円ぐらい」(増田会長)と高値取引されていた。
 
 しかし!それがいま、250万円とか200万円前後で取引されているとか。

●値段が下がらないハリアーがやっと安くなった!

 さっそく小沢も人気のハリアー・ハイブリッドの最上級グレード「プログレス」の329.8万円に乗ってみた。マイナー直後の2017年式で3年落ちだが、いままでなら余裕で400万円弱で売られていたグレードだ。

 まず、乗って気付くのはインテリアのゴージャスさ。本革風マテリアルがワインレッドとブラックのツートンで張り巡らされ、見るからにエロい。

ハリアーダッシュ斜め.jpg▲ハリアーの最上級グレード プログレスのインテリア ディープボルドーと呼ぶ深紅の本革を駆使してゴージャスでセクシーな雰囲気
 
 輸入車SUVでもなかなかないセクシーさで、このあたりにハリアーファンは陶酔してしまうのであろう。センターモニターも大きめで、古さは感じさせない。
 
 走り出しても加速感、しっとり感は上々だ。パワートレインは152psの2.5L直4と143psのフロントモーター、 68psのリアモーターからなるハイブリッドで力強さは文句ナシ。静かさも上々で、おまけにJC08モード燃費は最良21.4km/Lだから、実燃費も軽く15km/Lは行くはず。いま乗っても文句はない。

ハリアー後席.jpg▲リアシートは6対4分割可倒式 リクライニング可 
 
 唯一気になるのは、古いプラットフォームによるハンドリングのダルさ。新型RAV4のようなシャープさはない。このあたり、気にする人は気にするが、走りにウルサくないなら気にならないかもしれない。
 
●高値取引レクサスRX、最大100万円落ち物件も!

 続いてレクサス乗用SUVでは事実上の最高峰ともいっていいRXのハイブリッドモデル、450hバージョンLに乗ってみた。

rx真横.jpg▲レクサスRXの中古も人気が高い なかなか値が下がらなかったことで有名

 2016年式で4年落ちだがお値段479.8万円。一見、安くないが新車価格は700万円超で、オプション含むと734万円台。走行距離は約1万8000km、これまでだったら500万円を越えていた人気グレードだ。これまたモノによってはオークション価格が100万円前後も下がったという。
 
 ある意味、前述ハリアーとは異母兄弟のような関係で3rdモデルからRXはグローバル、ハリアーは基本国内専用車として成長してきた。

 スバリ、2015年デビューの現行4thRXの見た目のアグレッシブさはいま見ても圧巻。

rxリア.jpg▲レクサスRXのウインカーはシーケンシャル仕様
 
 外観の不協和音のようなプレスラインは、ワイルドかつおどろおどろしくもあり、ボディもハリアーより一回り大きく、迫力がある。攻めた造形のスピンドルグリルもすごい。
 
 内装はハリアーより上質だが、意外におとなしいかも。独特のレイヤー構造がゴージャスだが、欧州車にも似てシンプル。分かりやすさではハリアーのほうが上だ。

RXダッシュ斜め.jpg▲ノーブルブラウンと呼ぶインテリアカラーは落ち着いた雰囲気

 一方、走りは断然レクサスRXのほうがいい。プラットフォームが新しいこともあって剛性感と同時にステアリングのシャープさ、手応え、滑らかさは比べものにならない。
 
 加速感も4気筒ハイブリッドのハリアーに比べ、3.5LV6ハイブリッドの450hは全くもって滑らか。高級感、こんこんと湧き出るパワー感が全く違う。しかし、これが150万円ぐらいの価格差で買えてしまうのだから、ある意味安いといえるのかもしれない。 

 さらにいうと、バージョンLというグレードは装備も豪華。サンルーフはダブルで付くし、モノによっては後席左右に10インチ以上の巨大モニターがそれぞれ付く、リアエンタテイメントシステムを備える。

RXサンルーフ.jpg▲メーカーopの大型ムーンルーフ採用モデル
 
 このあたりの装備でも、ハリアーとレクサスRXの最上級グレードで比べると、普通のマンションとタワーマンションほど違う。

 資金に余裕が有る場合は、やはりレクサスSUVがオススメかもしれない。絶対的には安くないが、中身を考えるとコスパは高く、オマケに1~2年乗っても価格はさほど下がらない可能性が高い。
 
 いま、人気SUVこそ買いなのである。

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